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バルガス・リョの講演会、東大でも開催

 2011-05-31
 ペルーのノーベル賞作家、マリオ・バルガス・リョサ氏の講演会が6月21日にセルバンテス文化センターで開かれますが、当日の席はすでに満席になっています。

 そこで、なんとか講演が聞けないかとセンターに問い合わせたところ、同じ時にセンターの図書館にて公園の模様を生中継するということと、翌日の東京大学の講演会にも一般参加が可能という知らせを受けました。

 そこで、6月22日(水)の講演会への参加を東京大学に申し込み、なんとか予約することができました。

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 リョサは、私がラテンアメリカ文学に親しむきっかけを作ってくれた作家ですし、その人間味あふれる政治行動からガルシア・マルケスとは違った面白さを感じる人です。

 この講演会が開かれる頃には、ペルー大統領選の決着がついていますので、もしリョサが憎悪するケイコが大統領になっていたら、彼がそれについて何というか楽しみでもあります。


リョサの講演が聞きたい人は、まだ、東大の方では申し込みを受け付けています。下記のURLからどうぞ。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/genbun/110622llosa.html


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バルガス・リョサが6月に来日!!

 2011-05-04
 昨年のノーベル文学賞を受賞したペルーの作家、マリオ・バルガス・リョサが6月に来日します。
 6月21日には、セルバンテス文化センターで講演会が行われるということなので、早速、予約しようとしたら、すでに満席となっていました。これだけの大作家の講演が無料で聞けるのですから、すぐいっぱいになるのは当たり前ですね。残念!


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 バルガス・リョサは、私にとってラテンアメリカ文学の素晴らしさを最初に感じさせてくれた作家です。難解なガルシア・マルケスの作品に苦戦していた私が、旅行の暇つぶしにと図書館で借りたのが、「ラ・カテドラルでの対話」という、理屈っぽいだけでつまらなそうなタイトルの小説でした。

 ところが、これが非常に面白い小説で、夢中になりました。その後、「都会と犬ども」や「世界終末戦争」などを読み、ますますリョサを好きになりました。

 一方で、ペルーの大統領選挙でフジモリ元大統領に破れた後、その政治姿勢には疑問を持たざるを得ない感じになってしまい、残念でした。以前、スペインに住んでいた時、現地の新聞にガルシア・マルケスとの対談が掲載されていましたが、世界文学の大御所を相手にすると、文学的にもかなり影が薄い感じがしたものです。

 それが、昨年のノーベル文学賞受賞で一気に注目を浴びるようになりました。そのためでしょう、先日のペルー大統領選挙では、かつての政敵フジモリの娘を徹底して攻撃する発言が現地新聞などで盛んに紹介されていました。ただ、その怨念の強さに、彼の老いの血迷いを感じます。小説家としては優れているだけに、こうした政治的動きには残念でなりません。

 ちなみに、6月にはバルガス・リョサの新刊『悪い娘の悪戯』が作品社から刊行されるそうです。


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バルガス・ジョサ、インターネット批判を展開

 2010-12-08
 ノーベル賞の受賞式出席のためスウェーデンを訪れた作家のマリオ・バルガス・ジョサ氏が、昨今のインターネット全盛を嘆いたという記事が現地紙のネット版に出ていました。

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 ジョサ氏は「インターネットによる急速な情報の消費が人々思考の深化を妨げ、文化に対しても大きな問題を引き起こす」と述べ、さらに「オーディオビジュアルの革命は技術的な視点からは優れているが、それによって長期的なビジョンの喪失と基本的な問題に対する深い憂慮がもたらされた」と語ったそうです。

 たしかに、ネットは非常に便利である反面、知らないうちに情報の洪水に流されてしまい、重要な問題を深く考えることがおろそかになるという側面はあると思います。ネットには、短い細切れの情報を大量に流していくという特徴がありますから、ある問題を深く掘りさげて伝えるのは得意ではありません。自分の思考を深めることで複雑な物語を構成していく小説家から見ると、こういう表層的な情報の洪水の中で生きる人たちとその社会の未来に不安を感じるのはやむをえない事だと思います。

 ただ、こうしたネット批判は、かってテレビの普及によって日本人が全員バカになると考えた有名ジャーナリストのことを思い起こさせます。新しいものが普及し始めると、それに対して「問題だ、危険だ」といいはじめる人が出てくるものですが、実際の社会はそれを受け入れ、それなりに消化していくわけです。それによって多少は社会がおかしくなることがあるかもしれませんが、他方で大きなメリットももたらされるわけです。

 ジョサ氏のこういう発言は、老人になったことを証明しているようでちょっと悲しいですね。やはり、人は年齢には勝てないということでしょうか。

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ノーベル文学賞を受賞したペルーバルガス・リョサについて

 2010-10-08
 今年のノーベル文学賞が、ペルー出身の作家マリオ・バルガス・リョサ氏(74歳)に決まりました。

 ラテンアメリカの文学界で異彩を放つ大作家でしたが、その政治的立場が批判されたりしたことから、ノーベル賞は無理といわれただけに、「よかった・・・」という感じです。

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ノーベル文学賞受賞を伝える現地紙のweb版


 近年の世界的な文学の潮流の中で、ラテンアメリカ文学は圧倒的な存在感を示してきました。ガルシア・マルケスとミゲル・アンヘル・アストゥリアスの二人のノーベル賞作家を筆頭に、ボルヘス、カルペンティエール、コルタサル、ルルフォ、フェンテスなど、ノーベル賞に値する作家が大勢います(亡くなった人が多いので受賞は無理ですが)。

 バルガス・リョサは、そういった人たちとともにラテンアメリカ文学の黄金時代を築いた作家でした。

 私が最初に読んだリョサの作品は、「ラ・カテドラルでの対話」という、いかにもつまらなそうなタイトルの分厚い本でした。これを登山のときに持って行き、南アルプスの山頂付近にある山小屋で読んだのです。読み始めてみると、予想通り面白くないのです。しかし、それしか本はないし、時間はたっぷりあったので、我慢して読み続けました。すると、3章あたりからだんだん面白くなり、その先は、本当に面白くてたまらなくなりました。

 それに味をしめ、次に「都会と犬ども」を読みました。これは、最初から面白く、一気に最後まで読みましたが、素晴らしい作品でした。この作品は映画化もされていますが、映画のほうも素晴らしいできばえになっています。

 リョサの作品は難しいものが多いので、とっつきにくいという難点があります。例えば、非常に評価の高い「緑の家」などは、かなり難しい部類に入るので、最初にこれを読むと挫折する可能性が高くなります。しかし、「都会と犬ども」や「世界終末戦争」は、非常に分かりやすいですし、ものすごく面白いです。

 「世界終末戦争」は、リョサの作品では珍しい大河ドラマ風のストーリーで、読み出すとやめられなくなるので、注意が必要ですが・・・。

 いずれにしろ、アカデミー賞を受賞したことで彼の作品が見直され、日本でも大勢の人に読まれるようになってほしいです。



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「アトラス-迷宮のボルヘス」展とボルヘス夫人の講演会

 2010-04-29
  4月28日から、東京のセルバンテス文化センターで「アトラス-迷宮のボルヘス」展が開かれています。昨夜は、この記念講演とオープニングレセプションがあり、行ってきました。

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講演するマリア・コダマさん

 講演会では、ボルヘスの奥さんである日系アルゼンチン人のマリア・コダマさんが、ボルヘスと世界を回った思い出などを話し、ラテン文学の翻訳などで有名な野谷文昭氏も日本に来た時のボルヘスのことを話していました。

 実は、この会の前に、ボルヘスワークショップというのが行われていて、そこでもマリアさんが参加者の質問に答える時間をとっていただいたので、私たち参加者は、かなりの時間マリアさんとボルヘスについての話を聞くことができたのです。

 その話しの中で印象的だったのは、ボルヘスの考え方です。ボルヘスの父親にはイギリス、イタリア、ユダヤの血が流れていたことや、若い頃ヨーロッパで暮らしていたことから、インターナショナルな感覚が発達しており、偏狭なナショナリズムや特定の宗教、偏った思想を嫌ったそうです。

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ボルヘスとマリア・コダマさん


 実際、ボルヘスの作品を読むと、そういったことを感じることができます。アルゼンチン人ということでラテンアメリカ文学の範疇に入れられますが、作風としてはラテンアメリカ的なものは希薄で、ヨーロッパ的な感覚が溢れているように思います。それが、日本でボルヘスファンが多い理由かもしれません。ちなみに、ボルヘスはアルゼンチンの代表的な音楽であるタンゴもあまり聞かなかったそうです。

 面白かったのは、フリオ・コルタサルとの逸話です。コルタサルは、ラテンアメリカの中でも特に輝かしい才能を示した作家で、ボルヘスが大変に高く評価していたことが知られています。ボルヘスはコルタサルを可愛がり、コルタサルはこの大先輩の作家を尊敬していたのですが、やがて二人の仲は良好ではなくなります。

 それについての質問に対し、マリアさんは、二人の仲は決して悪かったわけではないとしながら、コルタサルがキューバのカストロに傾倒していったことで距離を置くようになったと説明しました。なにからも自由であることを熱望したボルヘスは、有能な若い作家が特定のイデオロギーに染まりすぎて自由な発想を失うことを懸念していたのでしょう。

 アルゼンチンからはキューバ革命の英雄チエ・ゲバラも出ていますから、コルタサルがカストロに傾倒したのは理解できます。彼の友人であったガルシア・マルケスも同じだったのですから。しかし、私にはボルヘスの洞察力が若いコルタサルを遥かに上回っていたと思います。

 「アトラス-迷宮のボルヘス」展は6月19日(土)まで開催されています。入場無料ですので、この機会にボルヘスの世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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