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コロンビア大統領選の第1回投票でサントス候補がトップに

 2010-05-31
 前回紹介したコロンビア大統領選挙の投票が5月30日に行われ、フアン・マヌエル・サントス候補が46.56%でトップに立ちました。アンタナス・モックス候補は21.5%で2位でした。ただし、1位の候補が当選に必要な51%を獲得できなかったため、サントス候補とモックス候補の2人が6月20日に行われる決選投票に進むことになりました。

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 戦前の予想を裏切って、サントス候補が50%に迫る得票を得たことで、決戦投票でもサントス候補が優勢という見方が強くなっています。これに気を良くしたサントス候補は「Hoy ganó Colombia, hoy ganó su democracia(今日、コロンビアは勝利した、今日、そのデモクラシーは勝利した)」というコメントを発表したそうです。

 まあ、右派の強い地方ではモックス候補は支持されていないということでしたから仕方ないですが、まだ、決まったわけではないので引き続き選挙の行方に注目していきたいと思います。

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コロンビアに変革は起きるか?5月30日大統領選

 2010-05-26
 南米コロンビアの大統領選挙の投票が5月30日におこなわれます。近年のラテンアメリカ地域の政治を見ると、この選挙は非常に重要な意味を持っていると言えます。

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世論調査によるコロンビア大統領候補の支持率

 コロンビアは、ラテンアメリカ諸国における大国の一つであり、かなり大きな政治的・経済的影響力を有しています。政治的な特徴としては、これまで右派のアルバロ・ウリベ大統領が政権を握ってきており、周辺諸国が次々に左派政権に変わる中で、米国との関係維持に努め、国内の反政府ゲリラ組織に対する強硬策を維持し続けてきました。このため、特に反米急進左派である隣国ベネズエラのチャベス政権とは仲が悪く、国際会議に出席したこの二人の大統領は、前代未聞のつかみ合いの喧嘩までしています。

 ラテンアメリカの大統領の中には、憲法を変えてまで大統領職にとどまろうする人がいますが、ウリベ大統領もその一人でした。再選を禁止する憲法を変えて再選を果たしたウリベ大統領は、さらに3選を目指して憲法改正を試みたのですが、今年の2月にコロンビア憲法裁判所がこれを拒否したため3選がなくなったのです。

 そこで、ウリベ大統領は自分の後継者としてフアン・マヌエル・サントス元国防相を擁立しました。今年3月に行われたコロンビア総選挙では、ウリベ大統領の党である国民統一社会党が第一党を維持し、連立与党も勝利したことから、大統領選ではサントス候補が絶対的に優勢と見られていました。

 ところが、最近になって情勢が変化しつつあったのです。サントス候補の対抗馬として急浮上したのは、元ボゴタ市長のアンタナス・モックス候補(緑の党)でした。ウリベ大統領が国内の治安回復に一定の成功を収めたのは事実ですが、それによって、ゲリラ組織との戦闘状態が長く続いており、急進右派の準軍事組織と政権の関わりが指摘されるなどの問題も引き起こしています。こうした状況を変革するため、特に都市部の住民を中心としてボゴタ大学元学長で哲学者でもあるモックス候補に対する期待が高まっているようです。
 
 5月中旬時点での世論調査の結果を見ても、各大統領候補の支持率はサントス候補とモックス候補が接戦を演じており、世論調査を行う会社によってサントス候補の支持率が上回っているという結果と、モックス候補が上回っているという結果があるのです。大統領選挙では、第1回投票で51%以上の票を獲得する人がいなければ、上位2人の候補による決戦投票になります。そうなると、サントス候補とモックス候補が決選投票を行う可能性が高いわけです。

 実は、決選投票になった場合はモックス候補の方が有利という調査結果が出ています。もちろん、実際にはどうなるかわかりませんが、現状ではコロンビアに新しい政治の流れが生まれる可能性が高いということです。もし、モックス氏が大統領になれば、これまでギクシャクしていたベネズエラやエクアドルとの関係が改善され、地域の政治経済にもいい影響があると思うのですが・・・?

 ちなみに、モックス氏はパーキンソン病を患っているということで、ウリベ大統領は「『足の動かない馬』にコロンビア国民を守る仕事ができるわけがない」と言ったそうです。どこの国にもこういう口が軽い人はいますが、なんとも困った人です・・・・。

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