クスコのおすすめレストラン!
世界中から観光客が集まるクスコですから、レストランもバラエティに富んでいます。そんな中から、日本食を中心に私のお気に入りレストランを紹介したいと思います。紹介するレストランの場所は最後の地図を参照してください。
うどんが美味い「Mr.Soup」
今回、クスコに到着して初めて行ったのが、「Mr.Soup」という店です。店名通り、日本食ではなくスープの店ですが、ここには「うどん」があるのです。特に、カレーうどんは日本のものと比べてもそん色ないくらい美味しいのです。値段は単品が22ソレスで、飲み物とチップ込みで30ソレス(900円弱)ほどになりましたが、量もあって満足できました。
この店では、他にトマトスープ、ミネストローネ、野菜スープなどがあります。私は胃の調子が悪かった時に、固形物が食べられずトマトスープを頼みました。トマトスープと言っても、量があり、付け合わせのパンもあるので、結構お腹がいっぱいになります。寒い時だったので、体が温まったのも嬉しかったです。
Mr.Soupの外観。注意していないと見つけられないかも!
カレーうどんは美味しいです!
トマトスープもなかなかよろしい!
うどん専門店の「慕情さん」・・・!?
クスコにはうどんの専門店もあります。
屋号は「慕情さん」。ちょっと変な感じですが、オーナーはフランス人だそうです。シェフはペルー人ですが、開店に当たって日本人が指導をしたそうです。
ここでは海苔入りのシンプルなうどんを食べました。価格は17ソレス(500円くらい)。ダシは利いていて、スープは悪くないと思いますが、麺がイマイチという感じでした。日本人でないと、きっと麺づくりは難しいのだと思います。
慕情さんの店舗。和風な感じがいい!
のりそばはのりが結構多かった!
ペルー料理がおいしい「プカラ」
クスコの日本人の間で最も有名なのが、ペルー料理のプカラです。この店は、日本人のシェフが1988年に開店したそうですから、30年近い歴史があります。シェフは、日本人が好む味もよく知っていますし、ペルーの一流ホテルやレストランで修業したベテランですから、料理は折り紙付き。どの料理も安心して頼めます。日本語のメニューもあり、ペルー料理の入門として利用するのもいいと思います。
おすすめ料理は、アヒ・デ・ガジーナでしょうね。アヒは唐辛子、ガジーナとは鶏の事です。ペルー特産のアヒ・アマリージョ(黄色唐辛子)と鶏肉をクリームで煮込んだもので、色が薄いカレーのような料理です。カレーのように辛いわけではなく、クリームのまろやかさが癖になる絶品の料理です。
プカラの外観。中央広場のすぐそばにある。
高級中華料理なら「KION」
クスコには中華料理店もたくさんあります。困った時の中華料理ということで、数日滞在する場所では必ずと言っていいほどお世話になります。
クスコで最も高級な中華料理店は街の中心部に店を出すKIONでしょう。店は凝った中国風の内装が高級感を演出しており、ウエイターの接客も丁寧です。料理は1品500円~1500円くらいで、日本と比べると安いです。これだけの店ですから味も間違いありません。ただ麺は一般的な店で出す量産品のような感じです。
私が頼んだのは、ワンタンスープとチキン焼きそば。ハッキリ言って、量が多すぎます。ワンタンスープには具がたっぷり入っていますから、それだけでかなりお腹がいっぱいになります。そこに、たくさんのチキンが乗った大盛り焼きそばですからたまりません。できるだけ残したくなかったのですが、無理でした。ここに行くなら、3~4人で一品ずつ違った料理を頼むくらいでいいと思います。料金は飲み物とチップを加えて50ソレスちょっと(1500円くらい)でした。
ちなみに、安い中華料理店はコリカンチャの南にあるガルシラソ・デ・ラ・ベガ通りのあたりに何軒かあります。
KIONは2階にある。オレンジの小さい看板が出ている。
店内は落ち着いていい感じだ!
ワンタンスープは具だくさんでボリュームがある。
チキン焼きそばも豪華な感じだ!
日本食なら「KINTARO」
クスコの日本食レストランはKINTAROです。この店も中心部にあるのですが、土産物屋が集まった路地を入ったところに入り口があるので、分かりにくいです。
店は2階にあり、和風のちょっと雰囲気がいい階段を上ります。店内はシンプルでカジュアルな店ですが、少しでも高級感を出そうとする照明の演出が凝っています。
メニューは、照り焼き丼(16.5ソレス)、親子丼(15ソレス)、かつ丼(16.5ソレス)、マスの握りずし(18ソレス)、ツナ巻き(15ソレス)などです。変わった料理は、酢飯にマスとアボカドをのせたインカ丼(21ソレス)でしょうね。
私はかつ丼を頼みましたが、普通においしかったです。慣れた味ですから、現地料理に飽きた時は助かります。
KINTAROの入り口。路地にあるので分かりにくい!
日本食の定番はかつ丼!
どこの店というわけではないのですが、クスコでは是非マス料理を食べてみることをお薦めします。マスはチチカカ湖名物でクスコやプーノなどで料理がよく出されます。一般のレストランでは昼にメニュー・デル・ディア(日替わり定食)を提供しており、店の前に定食のスープ、前菜、メイン、飲み物などを価格と共に表示しています。その中に、「trucha」と書いてあればマスです。店によっては、Trucha a la Plancha(マスの揚げ焼き)とかTrucha a la parrilla(マスの炭焼き)など、複数の料理を出していることもあります。
マスを焼いただけのシンプルな料理が多いので、日本人の口に合い、おいしいです。
昼の定食で出てきたマス料理
風の谷ヤナワラに滞在する!!
ヤナワラの風景
合気道場もある広大な別荘地
マチュピチュから帰る途中、オリャンタイタンボの近くにある村ヤナワラをたずねました。ここには、クスコでナオツールという旅行会社をやっている篠田さんご夫婦が所有している広大な別荘地があるのです。
オリャンタイタンボ駅まで迎えのタクシーに来てもらい、20分ほどで大自然に囲まれた家に到着。篠田さんご夫婦の娘さんのライミさんに出迎えてもらいました。
すぐに別荘の中を案内してもらいました。わずかに傾斜した広い土地に、宿泊施設、トイレとシャワー棟、食堂棟、合気道場、クイ飼育棟などが点在しています。
合気道場は、合気道をやっている篠田さんの奥様、直子さんが、合宿でトレーニングをするために作り、そのために必要な宿泊棟や食堂なども作ったのだと聞きました。この施設に知り合いを招くと喜ばれるので、旅行社のお客さんなどもゲストとして迎え入れるようになったという事です。
何もない所ですが、とにかく自然が美しいのです。傾斜地の上に位置する宿泊棟の目の前には、インカの聖なる谷を囲むなだらかな山々が連なり、平地には耕作された畑が広がっています。そして、別荘地の先にはウルバンバ川が流れ、時々、そのそばをポロイとオリャンタイタンボを行き来する列車が走ります。
遠くの景色に目を移すと、手前に変わった形の丘が見えます。ライミさんが「何かに似ていない?」と聞きます。そして「海を知っている人はタコというけど、私には分からない」と言うのです。言われてみれば、確かにタコです。ただ、この形のタコは分からない人も多いでしょうね。
宿泊棟が4棟ある
敷地の先を列車が走る。その後ろにはタコの姿の丘
犬は重要なパートナー
非常にのんびりして、何物にも煩わされない良さがここにはあるのですが、一つ困ったことがありました。ここにはたくさんの犬が飼われているのですが、その中に元気すぎる三兄弟がいたのです。
ライミさんも、気にしてくれて、少しずつ慣らすように順番に犬小屋から出してきたのです。最初は、大型でもおとなしい犬たちで問題ありませんでしたが、後から出てきた三匹の茶色の中型犬は元気が良すぎて、慣れるのにちょっと時間がかかりました。犬好きであれば問題ないと思いますが、扱いに慣れない人はちょっと注意が必要です。
ペルーでは安全のためにも犬を飼うことが多いのです。広い敷地を犬は常に監視していて、知らない人間が近づいてきただけで、みんなで吠えながら猛スピードで走って行きます。その警戒心や探知能力には驚くべきものがあり、人間の警備員を雇うよりよほど警備効果があると思います。ここでは犬は重要なパートナーなのです。
敷地を守る犬たち
コンテスト用のクイも飼っている
普通の家くらいの大きさの小屋の中に、細かく仕切られた部屋がいくつも作られていて、そこに5~6匹ずつのクイがいます。白黒や茶色などいろいろな種類があって面白いです。たくさん育てているのはクイのコンテストに出品するためだということです。クイを重要な蛋白源としているペルーらしいです。
可愛いクイがたくさんいた
宿泊は三食付きになっています。出される料理は、敷地内にある広い畑で採れた様々な野菜を使った、ペルーと日本をミックスした、いわゆるフュージョン料理です。新鮮な野菜を使っていることもあり、おいしいです。茹でたジャイアントコーンなどは、もっちりとした食感と甘みのある素朴な味わいが素晴らしかったです。
自然をみながら食事ができる食堂
ヤナワラの夜空は美しいらしい…
聞くところによると、ヤナワラの夜空は非常に美しいそうです。標高2700mで周囲には自然しかありませんから、空気が澄んでいて星がよく見えるのでしょう。しかし、4月上旬のこの時は、雲に覆われた空でほとんど星は見えません。残念でした。
ほぼ丸一日をヤナワラで過ごし、自然と犬たちとの交流をたっぷり楽しみました。観光地巡りの海外旅行にはない思い出となりました。
マチュピチュの峰に登る!
マチュピチュ峰って何?
マチュピチュ遺跡はシーズンオフでも大勢の観光客が押し寄せます。このため、一応、入場制限を設けているようですが、よほどのことがない限り入れないことはないようです。
ただ、入場料はどんどん高くなっていて、2017年時点では遺跡の入場料が一般成人で5000円ちょっと、ワイナピチュなどに登るには別途1600円ほどが必要になります。
私は、インカ道のトレッキングに参加できなかったため、別の山登りなどを検討しました。マチュピチュ遺跡の後ろに聳えるワイナピチュ峰はすでに登ったことがあるので、徒歩1時間ほどの所にあるインティプンク(太陽の門)に行こうと思いました。しかし、旅行会社の担当者から「マチュピチュ峰はどうか」という提案があったのです。
マチュピチュ峰という山があることも、そこに登れることも知りませんでしたから、すぐ入山チケットの手配をお願いしました。聞くところでは、ワイナピチュは登山人気が高く、ハイシーズンには1か月前に入山チケットの予約が必要とのことですが、マチュピチュ峰はあまり知られていないため、直前でもチケットが入手できるそうです。
マチュピチュ村の景観
遺跡行きのバスは長蛇の列
マチュピチュ峰に登るには、午前7時から8時、午前9時から10時の2グループのどちらかを選択しなくてはなりません。チケットにその時間が記入され、遅れると入山できないそうです。
遺跡見学の時間を考えて7時からを選択しました。ただ、遺跡内の登山口に朝7時ころに着くためには、6時ころマチュピチュ村を出るバスに乗る必要があります。バス乗り場はいつも長蛇の列になるため、6時15分前には並んでおきたいと思いました。
宿泊したホテルは朝の早い客のために5時から朝食を用意してくれます。食事を終えて5時半にホテルを出ました。10分ほどでバス乗り場に着くと、聞いていた通り旅行者の長い列が道路を埋めています。しかし、中型のバスが次々と来るので、15分ほど待っただけでバスに乗ることができました。
遺跡に向かって、バスはジグザグの坂道を上り続けます。天気が悪いため、周囲の山々を雲が覆い、神秘的な感じがしました。
マチュピチュ遺跡行きのバスはきれい
雲が多くて周りの山が見えない!
30分もかからず遺跡の入り口に到着。ところが、ここも入場を待つ人達が大勢いて、入り口ゲート前の階段は埋め尽くされています。
遺跡内には食べ物の持ち込みは禁止されていると聞いていたので、私は水しか持ってこなかったのですが、入場ゲートでは特にバック内を調べたりすることはありませんでした。遺跡だけなら水でいいと思いますが、山に登る場合はエネルギー補給用の食べ物を多少は持って入ってもいいのではないでしょうか。
すでに7時近かったため、遺跡内を歩いてマチュピチュ峰登山口に向かいました。マチュピチュ峰はワイナピチュ峰とは反対側に聳えるため、途中のテラスからはマチュピチュ遺跡とワイナピチュの絶景が見られます。
遺跡の入り口前も大混雑!
マチュピチュ峰の登山口方向に広がるテラス
マチュピチュの絶景現る!
最初、遺跡はほとんど雲に埋め尽くされて見えない状態だったのですが、風が雲を払ったことでその姿を現しました。
そこにちょうど朝日が差し込み、3回目のマチュピチュで、これまでで最も神秘的で美しい光景が見られました。1回目は4月に来たので雲はそれなりにあったのですが、遺跡が包まれるほどではありませんでした。2回目は乾季の9月だったので、まったく雲がなく、神秘的な感じはなかったのです。
雲が吹き払われマチュピチュが現れた!
マチュピチュ峰登山を開始!
7時ちょうどに登山口に着きました。すでに10人ほどが待っており、ゲートが開くと小屋で登山ノートに自分の名前を記入してから坂道を登り始めました。
10分も坂を上ると、もう、嫌になりました。坂がきついし、周囲は林で景色は見えないし、ただ苦しいだけです。頂上までは2時間と聞いていましたが、これではとうてい上れないと思いました。
ワイナピチュの方は切り立った崖に付けられた道を昇っていくので、結構辛いのですが、景色が見られる楽しみがあったように記憶しています。こちらは、最初のところは景色が見える場所が少なく、インカ道の石の階段をひたすら上り続けるしかないのです。
登山口には開門を待っている人たちが・・
こんな感じの石段が延々と続いている
断崖のそばを通る石段もある
それでも、急がず、「時間が無くなれば途中で戻ろう」という気持ちで、一歩ずつ階段を上り続けました。途中、何カ所も設けられている展望台に着くと、しばらく休憩し、ゆっくり景色も楽しむようにしました。周囲は雲に覆われていて、ほとんど景色は見られませんでしたが…。
1時間半を経過するころ、山道は細くなり、崖の淵を歩くようになりました。右後方の雲の間からワイナピチュの尖った峰が突き出しているのが見えます。晴れていれば、マチュピチュとワイナピチュの絶景が見られると思います。
下の方にワイナピチュが見える!
やがて、急な坂の上に空に突き出すような展望台が見えました。「ひょっとしたら頂上が近いのか?」と思い、最後の力をふり絞るようにして登っていくと、それは頂上直下の展望台でした。結局、1時間45分ほどで頂上に到着。着いてみると、意外にあっけなく、最初に思ったほど大変ではなかったような感じです。
頂上から見た景色。下方に展望台がある
ここがマチュピチュ峰の頂上。なんも見えん
残念なのは天気です。マチュピチュ峰は標高3060mあり、ワイナピチュ峰の2720mより高いのです。晴れていれば、頂上から周囲を囲む山脈群の360度パノラマが楽しめるはずです。ところが、この時、周囲は完全に厚い雲に覆われており、景色はほとんど見えませんでした。流れる雲が時々私たちまで包み込んで、視界が失われます。待っていても雲がなくなる様子が見えなかったため、あきらめて下山することにしました。
帰り道。時々は雲が切れて景色が見えたりする
登山口には10時過ぎに戻って来ました。すでに閉められたゲート前に、到着が遅れた人がいて「ちょっと遅れただけだ、入れてくれ!」と係員に頼んでいましたが、係員は応じようとしませんでした。
雨が降って来た!!
これから遺跡をゆっくり見学しようと思ったのですが、雨が降り始めました。大勢の観光客が遺跡の屋根のある部分に固まって空を恨めしそうに見ています。私は、持っていたレインウエアを着て少し歩きましたが、防水ズボンに水が浸透するほど濡れてしまいました。しばらくしたら雨が上がるかもしれないと屋根の下で待ってみたりしたのですが、雨脚はかえって強くなるばかりです。
霧に包まれてしまった!
雨に濡れながら観光も仕方ない
一旦、遺跡外へ退避する
待っても雨は上がらない…
昼が近かったため、一旦遺跡の外で食事をして雨が上がるのを待つことにしました。遺跡の外にはホテルのレストランとスナックがあります。レストランはビュッフェ形式で4000円以上しました。そこで、スナックに行きましたが、ここにも長蛇の列。屋根付きのオープンテラスのテーブルは人で埋まっています。それでも、食事を終えて帰る人も多いので、少し待てば座ることができました。
大きなハンバーグとコーラ(両方で1300円くらい)を頼み、派手に雨漏りする屋根の下で、水滴をよけながら食事を済ませました。午後1時近くになっても、雨はやむ気配を見せません。衣服が濡れているせいもあって座っていると寒いのです。残飯をあさる野良犬同士がテーブルのそばで喧嘩を始めました。ついに待ち続けるのが苦痛になり、あきらめて村に帰ることにしました。初めて来たのならもう少し粘ったかもしれませんが、マチュピチュ峰に登れただけでもう十分という思いでした。
そうだ温泉に行こう!
バスで村に戻りホテルに着いた頃になって雨が上がりました。山の上の遺跡と村は違いますので、遺跡では雨が続いている可能性はありますが、残念な思いはぬぐえませんでした。
時間が余ったので、温泉に行くことにしました。元々、この村はアグアス・カリエンテス(温泉)という名前で、村はずれに温泉が湧いていたのです。35年前にもこの温泉に行きましたが、泥道を昇って行った所にいくつかの温泉プールを持つ貧弱な施設があり、地元の人たちが入浴を楽しんでいました。
今では坂道が整備され、山間の美しい景色を楽しみながら温泉まで行けるようになっています。
川沿いの道を上って行く・・・
温泉にはレストランや土産物屋が併設された施設もあります。日本と違って温泉には水着で入りますので、脱衣所で着替え、脱いだ服はクロークに預けます。入浴料は660円くらいです。
山に囲まれた川沿いのスペースに大小6つほどのプールが作られており、大勢の人で賑わっていました。ただし、観光客ばかりで地元の人は見当たりません。以前は、ぬるい湯のプールと熱い湯のプールがハッキリ分かれていたのですが、この施設には熱い湯のプールがありません。底に石が敷き詰められた大きなプールに人が集まっており、他と比べて少し温度が高い気がするのですが、熱い湯好きの日本人には物足りない。というか、寒くて、充分温まらないと風邪をひきそうです。
日本の温泉とは比べられませんが、清潔感もあまりなくて完全にはリラックスできないのです。それでも、大勢の人が酒など飲みながら楽しそうにお湯につかっているのはいい感じです。友達と一緒に酒を飲みながら入るなら楽しいでしょう。
温泉のプールが作られている施設
ビールなど飲みながら楽しそう
村ではピザがお勧め!?
マチュピチュ村には観光客相手のレストランがたくさんあり、ペルー料理だけでなく世界中の料理が食べられます。トリップアドバイザーを見ると、おいしいいピザを出す店が何軒も出ています。その中から特に評判がいい店に行ってみました。
ピザはマルゲリータを注文。「一人で1枚食べきれるか?」とウエイターに聞くと、ピザ焼き窯のそばまで来いと手招きし、「ほら、これくらい食えるだろう」と、焼き上がったピザを指差すのです。
大きなピザでしたが、食べられないほどではない感じです。価格は28ソレス(950円くらい)で、日本と比べれば安いです。見た感じも、味も私が知っているマルゲリータとは違うのですが、ピザ生地とチーズがおいしく、食が進みます。耳の部分を少し残しましたが、久しぶりに大満足の夕食となりました。
美味しいピザを出す洒落たレストラン
マルゲリータ?でもおいしい
マチュピチュに列車で行く!
マチュピチュ・トレッキングツアーを断念
3年ぶりのクスコです。
今回はトレッキングでマチュピチュに行くつもりしたが、シーズンオフでもあり1泊ツアーの参加者が集まらず、断念しました。トレッキングツアーは3泊4日のツアーの方に人気があり、1カ月以上前に予約しないと参加できないほどと聞きました。もう少し若ければ当然3泊4日を選択したのですが、残念です。
ただ、今年は天候が不順で、例年ですと4月になればほとんど雨が降らなくなるのに、今年は毎日のように雨が降っています。このため、インカ道のトレッキングはかなり大変そうで、「行かないでよかった」とツアー会社の担当者が言っていました。
そこで、マチュピチュには列車で行くことにしました。
マチュピチュ行きの観光列車はペルーレイルとインカレイルの2社が運行しています(本数が多いのはペルーレイル)。客車には3種類あり、一番料金が高いのがオリエント急行と同じ豪華列車の「ハイラム・ビンガム」。食事、マチュピチュ遺跡までのバス、入場券、ガイドまでついた日帰りツアーが9~10万円とかなりの高額です。
次が「ビスタドーム」。料金は時間と区間によってかなり差があり、オリャンタイタンボ~マチュピチュ間で片道7000円~1万2000円ほど。最も安い「エクスペディション」は同区間で片道6000円~9500円ほどです(価格は時期によっても変わる)。
タイムテーブルを見ると、マチュピチュ日帰り観光に都合がいい朝8時オリャンタイタンボ発と夕方4時ころマチュピチュ発のビスタドームが高いのです。私はマチュピチュ村で1泊する予定ですので、行きは、午後3時37分オリャンタイタンボ発のビスタドームを選択。この列車の料金はエクスペディションと変わりません。帰りは朝9時ころ発のエクスペディションにしました。
クスコからオリャンタイタンボへ移動
マチュピチュ行きの列車の多くはオリャンタイタンボから出ますので、クスコからそこまで行く必要があります。
朝、インカ時代の太陽の神殿コリカンチャ近くのバス会社の前まで行くと、タクシーの客引きにつかまりました。乗り合いタクシーはバスより早いし、料金も大差ないのですが、運転手によってはものすごくスピードを出すので危険なのです。
客引きは「バスはまだ発車しないが、タクシーはすぐ出る」と言います。そんなに急ぐわけでもないのですが、待っているのも面倒だし、助手席に座れると言うのでタクシーで行くことにしました。
同乗者の女性が運転手に「安全運転でお願いします」と言っていました。私は「無駄なお願いだな」と思いましたが、前に乗ったタクシーよりはましでした。以前のタクシーは何度も事故にあう恐怖を感じましたが、今回は2、3回危ない思いをした程度で済みました。
インカの神殿コリカンチャは教会になっている
オリャンタイタンボにも見所は多い
タクシーはオリャンタイタンボ村を抜けて駅の近くに止まりました。そこにはペルーレイルとインカレイルのチケットブースがあって、列車の当日券が買えるようになっています。シーズンオフですから、列車は空いているようでした。
ところで、観光客のほとんどはマチュピチュにしか興味がないようですが、オリャンタイタンボにはマチュピチュ以上に素晴らしい遺跡があり、インカ時代から残る村も味があっていいのです。もし、1泊2日でマチュピチュに行くのなら、オリャンタイタンボ遺跡や村にも寄ってみることをお勧めします。私はこの遺跡にはすでに3回も行っていますから今回はパスし、列車の時間まで村の中をじっくりと見学することにしました。
オリャンタイタンボ村の中央広場
インカ時代からの石垣が残る村の中
最前列の席が取れた!
列車の発車時間になり、いよいよビスタドームに乗り込みます。その名前通り、客車の天井角部分が丸いガラス張りになっていて、上の方の景色も見えます。実際にはあまり意味はないのですが・・・。
チケットには座席指定の番号が2と記されていました。最前列を見ると、運転ブースの横が2席設けられています。前の窓から進行方向を見ることができるのですから、この列車の中で最良の席と言えます。間もなく、年配の白人女性が隣に座りました。聞くと、「アメリカから家族で来たが、私一人先にチケットを予約したのでこの席が取れた」と言います。
後で、チケットの予約をお願いしたツアー会社の担当に聞くと、「早く予約しても席の指定はできないので、その席が取れたのは運がいい」と言っていました。
オリャンタイタンボ駅
列車に乗り込む乗客たち
ビスタドームの客車内
列車内のサービスには満足
発車時間になって雨が降り出しました。しかし、小雨程度ですので前方の視界は良好です。ドリンクサービスで、マラクジャ(パッションフルーツ)ジュースを頼むと、キヌアを使ったケーキも一緒に持ってきました。「これは何?」と質問すると、女性スタッフは笑顔で丁寧に説明してくれます。ジュースもケーキもおいしいし、日本にも負けないおもてなし精神がここにはありました。
車内サービスのジュースとケーキ
列車はウルバンバ川沿いを走る
列車が、突然、森の中で停車
列車は激流のウルバンバ川沿いを快調に走り、1時間ほど経ちました。突然、列車がスピードを落としました。前方を見ると、先行した列車が止まっています。「どうしたのかな?」と思っていると、前の列車に接近して停まったのです。
間もなく車掌がやって来て「崩落事故があって、しばらく停車する」と言うのです。「どのくらい?」と聞くと、「2時間はかからない」と言います。
「2時間!」思わず聞き返しました。オリャンタイタンボからマチュピチュまで1時間半なのですから、それ以上待つことになります。以前、崖崩れで線路が埋まってしまい、列車が引き返すこともあったそうですから、それよりはましと思うしかないです。
隣の線路を、作業員を乗せたトロッコが走って行きました。「頑張ってくれよ」と思いました。
1時間を過ぎたころ、再び車掌がやって来て言いました。「あと2時間ほど待ってほしい」。私が「それは確実?」と聞き返すと、車掌は顔を曇らせて「私は作業員ではないので、確実とは言えない」と答えます。そりゃそうだねと思いながら、絶対2時間では無理だと感じました。
外は暗くなり始めていましたが、乗客たちはじっとしていられなくなったようで、列車のドアを開けて降り始めました。私も外に出てみました。客車内は暑いのですが、外に出ると夕方の空気がひんやりして気持ちいのです。作業現場までは距離があって、様子を見られないのは残念でしたが、一時的な気晴らしにはなりました。
大勢の客が列車から降りてうろついていた
思った通り2時間を過ぎても列車は動く気配がありません。車掌は、さっきの私の質問でうるさい客だと思ったのか、時々やって来て「まだダメみたいだ。もう少し我慢してね」などと言います。隣のおばあちゃんはすっかりあきらめたみたいで、私が車掌の言葉を伝えても、あまり反応しなくなりました。
待つこと4時間。夜8時半になってようやく列車が動き出しました。下手をすれば、夜中になるかもしれないという不安を感じていただけに、嬉しかったです。乗客たちからも歓声が上がりました。
光あふれるマチュピチュ村に到着!
9時過ぎになって、列車は沿線にレストランやバーなどが並び、まばゆい光が溢れるマチュピチュ駅に到着しました。35年前は周辺にバラック小屋が立ち並ぶだけのド田舎の駅でしたが、今は数えきれないレストランやホテル、土産物屋が駅周辺に密集する一大観光地となっており、常に大勢の観光客で溢れているのです。マチュピチュがいかに人気のある観光地となっているか思い知らされた感じです。
アンデス豪華バスツアーの旅 プーノ~クスコ

アンデス高地を走る超豪華列車
移動だけだったこれまでの列車と異なり、途中、ラクチ遺跡やチチカカ湖などの見学も含めたのが特徴です。車両にはベッド付き個室やサロン、スパなどがあり、例えばクスコ~プーノ間は1泊2日、クスコ~アレキパ間は2泊3日というかなりゆったりした行程を組んでいるようです。料金は分かりませんが、これまでの列車はクスコ~プーノ間で250ドル以上だったのが、かなり高くなっているのではないかと思います。鉄道ファンなら一度は乗ってみたい列車でしょうね。
アンデアン・エクスプローラーのプロモーションサイト
リーズナブルな豪華バスツアー
私はこの区間の移動を、列車より安く、途中の観光も充実した豪華ツアーバスを選びました。このサービスを行っている会社は2社ほどありますが、私が利用したのはインカエクスプレスでした。料金は季節によって異なるようですが、今回はクスコまで65USドル。昼食、経由地での観光もついてアンデアン・エクスプローラーの3分の1ですから、お得な感じです。
朝7時にプーノのバスターミナルを出発するので、15分ほど前に到着。バス会社のブースに行くと、制服の係員が3人ほどいて非常に丁寧な対応です。ボリビアのバス会社とは大違い。バスに案内されると、外観も内部も日本のツアーバスよりずっと綺麗で「豪華バス」と呼んで間違いない感じ。
シーズンオフのせいか乗客は7人しかいません。40人は乗れそうな大型バスを少人数で贅沢に使えるのは嬉しいです。
乗客が集まったので、7時ちょっと前に出発。間もなく若い女性乗務員がドリンクサービスをしてくれました。
プカラ村で博物館を見学
最初の停車地はプカラという村です。この村の外れにプカラ文化の遺跡があり、出土品が村の博物館に展示されているのです。プカラ文化はシルスタニ遺跡でも出てきましたが、紀元前200年から紀元500年ころまでチチカカ湖周辺を支配していた文化です。
遺跡には7段のテラス状建造物があり、その頂上には半地下式の広場が作られているそうです。ティワナク遺跡のアカパナのピラミッドとよく似ていますね。バスツアーでは、ガイドが博物館を案内してくれますが、遺跡を見る時間まではなく、30分ほどでバスに戻らなくてはなりません。残り時間を利用して遠くから遺跡の写真を撮りましたが、ちょっと残念でした。
プカラ村の様子
岩山の前に積まれた遺跡の石垣が見える
4335mの絶景を楽しむラ・ラヤ
バスは標高4000mの大平原、アルティプラーノを貫くハイウエイを快適に走り続けます。35年前にもこのルートを夜行バスで移動しましたが、当時は舗装路がなく、ひどく揺れました。現在は、バスも道路もいいため、非常に快適でした。
昼ちょっと前に、ラ・ラヤという標高4335mの峠に着きました。道路わきの駐車場では地元の人たちがアルパカセーターやリャマの敷物などの土産物を売っています。下の方を見ると草原の中に鉄道の小さな駅があり、アンデアン・エクスプローラーもここで停車するようです。周囲には雪をかぶったアンデスの高峰が連なっており、素晴らしい景色です。
ラ・ラヤから雪をかぶったアンデスを眺める
大平原を鉄道が走っている
バスの車窓から見たリャマかアルパカの群れ
昼食はシクアニという町にあるツアーバス専用のレストランで摂ります。サラダ、メイン(ペルー料理)、スープ、デザートを並べたビュッフェ方式で、ホールのステージではアンデスの音楽フォルクローレを演奏していました。
ビュッフェ形式のレストラン
インカの巨大神殿が残るラクチ遺跡
次に寄るのはラクチ遺跡です。
ラクチ(Raqchi)はインカ時代の都市で、ビラコチャを祀った大規模な神殿や食料貯蔵庫、支配層の居住区などから構成されています。
最も特徴的なのは、ビラコチャ神殿です。現在は、石の基盤の上にアドベ(日干し煉瓦)の壁だけが残っていますが、これは神殿の中にあった壁だそうです。実際は、左右に広がる二階建ての建物で、幅92m、奥行き25.5m、高さ18~20mという四角形をしていました。この壁を見るだけでいかに大きな建物だったか想像できます。
もう一つの特徴は、ここにはコルカと呼ばれる食料貯蔵庫が156個も残されていることです。コルカは石を積み上げて直径8m、高さ4mの円筒形にしたもので、上部には藁屋根が掛けられていました。
コルカは食料を盗難などから守るとともに、戦争の際の非常食を貯蔵する意味もあります。このため、ラクチがインカの軍事戦略上、非常に重要な位置を占めていた都市であったことが分かります。
ガイドの説明では、ラクチはインカの主流であるケチュア族の支配地と隣のアイマラ族の支配地の境目に位置していたそうです。インカがアルティプラーノ南東部に勢力を拡大する過程でこの地方ではかなり激しい争いがあったのでしょう。都市全体を大規模な石の壁で囲っていることからも、それが推測できます。
ラクチ遺跡は見どころが多いですし、周辺の景色も綺麗です。また、遺跡の前には土産物屋がたくさん店を出していますので、2~3時間かけてゆっくり見たいところです。しかし、バスツアーですから40分ほどで終了。
ラクチ遺跡のビラコチャ神殿
支配層の住居跡。かなり規模が大きく立派だ
食糧を貯蔵したコルカがたくさん並んでいる
インカの吊橋を楽しむ
次はインカ時代から使われているという吊り橋がある場所です。ここには、インカ時代の吊橋、スペイン時代の石橋、現代の鉄橋の3つの橋が作られています。インカ時代の吊橋は木のツルや藁束を編んだロープなどで作られていたようです。この橋も同じように作られているように見えますが、安全性を高めるためワイヤーロープやプラスチック繊維が使われています。それでも、日本の山にある吊り橋のような揺れ防止がないので、非常に不安定で、渡るのが結構恐いです。
スペイン時代の石橋の前にインカ時代の吊橋がある
吊り橋は不安定に揺れるので恐い
アメリカのシスティーナ礼拝堂
最後の訪問地は、アンダーワイリーリャスという小さな村です。ここにはサン・パブロ・アポストロ教会という、ちょっと変わったキリスト教会があります。別名「アメリカのシスティーナ礼拝堂」と言われているそうですが、それは、教会内部の壁や天井に所狭しと古い宗教画が描かれているからです。洗練されたシスティーナ礼拝堂の絵画とは異なり、素朴な民衆画の手法で描かれたラテンアメリカらしい幻想絵画は独特の味があって面白いです。ちなみに教会内部の写真撮影は禁止でした。
サン・パブロ・アポストロ教会の外観
正面の壁にも絵が描かれている
これで観光は終了。一路、クスコに向かいます。バスは、ピキリャクタ遺跡などがあるクスコの南の谷を走り抜け、午後5時、クスコ市内にあるバス会社の駐車場に到着しました。
クスコに到着