世界遺産の古都プエブラへ行く
2014-03-09
オアハカを後にして、プエブラ州の州都、世界遺産にも指定されているプエブラにやってきました。
プエブラの市庁舎
この街も、オアハカに引けを取らない美しいコロニアル都市です。ただ、プエブラに対するこれまでの私の印象はあまりよくありませんでした。これまで、二回この街に来ていますが、綺麗な街並みを見たという記憶がないのです。どちらかと言えば、人々の貧しさが目立ち、建物の多くが古くて汚れているため、街自体に魅力を感じないという印象でした。
プエブラのバスターミナルはCAPU(カプー)と言い、街外れにあります。ターミナルには数多くのバス会社が入っており、長距離バスが空港の飛行機のように並んでいます。オアハカのターミナルとは比べものにならないくらい巨大なターミナルを見ると、プエブラはオアハカよりはるかに大きな街だという感じがします。
CAPUから街の中心部までは車で10分程度です。市内循環バスの乗り場がターミナルの前にあるのでそれを使ってもいいのですが、荷物があると面倒なのでタクシーで向かいます。たくさんの客引きがいますので、なるべく親切そうな運ちゃんを探して交渉。30ペソ(240円くらい)というので、その車に乗りました。

中心部に近いホテル街。道にはレンタサイクルが置かれていた。
あまり話をしない年寄りの運ちゃんでしたが、街には慣れているようで、渋滞をすり抜けて15分ほどで街の中心部にあるホテルに着きました。ちょうど昼時だったため、食事をしにソカロ(中央広場)まで出てみました。
プエブラのソカロはちょっとオアハカに似た、植栽の緑豊かな公園です。周囲に政府庁舎とカテドラルがあり、回廊にレストランのテーブルが並んでいるのも同じです。昼時とあって、回廊のテーブルでは多くの客が食事や飲み物を楽しんでいます。真昼の強い日差しの中、食事を楽しむ人たちの話し声や笑い声に陽気な音楽が重なって、そこにいるだけで心が弾むような楽しい気分になります。ヨーロッパの印象派絵画の一シーンを見ているような感じがしました。

レストランの日よけが並ぶソカロの回廊
食事の後、街を歩いてみましたが、以前の印象とは違い、今のプエブラはヨーロッパ風の街並みが綺麗に保存されているのです。オアハカのような遊歩道はないのですが(日曜日に遊歩道になる道はある)、コロニアル様式の古い建物が並ぶ通りが何本もあり、散歩しながらその時代を重ねた情緒ある光景に見とれることがよくありました。
なぜ、以前はこうした街並みに気が付かなかったのか不思議ですが、もしかしたら、経済が好調になり、世界遺産にも登録されたことで、歴史地区の建物の大規模なリニューアルを行ったのではないかと思います。例えば、ユカタン半島のメリダも大きなコロニアル都市ですが、一昨年、大規模な街のリニューアルを進めていました。

ソカロの風景

メキシコ革命の際、戦闘が行われた場所(左手前の家)が保存されている。
こうした歴史ある都市が蘇るというのはいいことです。特に、プエブラはメキシコシティから車で2時間の距離ですので、街の魅力が大きくなれば、それだけ観光客が増えていくのは確実です。
ところで、このプエブラにも名物料理があります。オアハカのモレ・ネグロによく似た、モレ・ポブラーノ(プエブラのモレ)です。チョコレートを使ったソースということでは、一般的にはモレ・ポブラーノの方が有名なのです。
このモレ・ポブラーノは20年前にもソカロのレストランで食べたことがあり、結構おいしかった記憶があります。ただ、今回はオアハカのモレ・ネグロのトラウマがあり、食べようかやめようか、考えていました。しかし、せっかく、モレの本場に来たのですから食べなければ後悔すると思い、一軒のレストランに向かいました。

中央のChinaと書かれた看板が店
店の名前は「チーナ・ボブラーナ」。ソカロから2ブロックほど南東にある郷土料理がおいしいという庶民的な店です。夕食には早い時間でしたので、客は一組のみ。民族衣装を着た女性が店の前で呼び込みをしていました。テーブルに着くと、すぐ女性がメニューを持ってきましたが、私はまだモレを食べるか迷っていました。すると、女性が試食用のモレ・ポブラーノを持ってきてくれたのです。
タコチップに付けてそのモレを食べてみると、やや甘いのですが、苦みや癖がなく、コクがあっておいしいのです。オアハカのモレ・ネグロより私の口に合う上、価格は110ペソ(900円くらい)ですから、安いです。安心して、モレ・ポブラーノを注文しました。
ビールを飲みながら、トルティーヤに若鳥をのせ、上にモレ・ポブラーノをたっぷりのせて食べると、たまりません。プエルト・エスコンディードのスパイシーなモレ・ネグロには、やっぱりかないませんが、これはこれでおいしくて、それなりに満足でした。店の雰囲気も、気軽に入れる地元の食堂という感じで、好きでした。

モレ・ポブラーノ、左上は試食用
次は、プエブラ郊外のチョルーラ遺跡に向かいます。
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天空の城、モンテ・アルバンを訪ねる!
2014-02-26
オアハカには世界遺産登録されたいくつかの遺跡があるのですが、メインの遺跡と言えば、天空の城とも称される「モンテ・アルバン」です。

モンテ・アルバンの北の大基壇から全体を見たところ。
オアハカ市街から車で30分程度で行けることと、山の上にある遺跡は規模が大きく、周囲の景色も美しいことから、観光客に人気のスポットです。
ある日、私が市場近くを歩いていると、若い女性が「モンテ・アルバンに行かない?」と声をかけて来ました。聞くと、観光用のバスが近くから出ると言います。1時間に1本あって便利だし、ツアーを使うより安いので、これを利用して遺跡に行くことにしました。
乗り込んだのは市内を走る路線バスと変わらない、背が高いタイプの古いマイクロバスでした。オンボロバスは曲がりくねった山道をドンドン上ってゆき、遺跡入口近くの駐車場に止まりました。周囲の気温は30度をかなり上回っている感じで、大地は乾燥して埃っぽく、太陽の光が眩しく感じます。
モンテ・アルバン遺跡は、標高1500mほどのオアハカ盆地にある高さ400mほどの丘の上に築かれています。中心部は、グランプラサと呼ばれる大きな広場を中心とし、その周囲に神殿などの建築物がいくつも並んでいます。ピラミッド型神殿の基台部分が並ぶ様はテオティワカンを彷彿とさせます。実際、モンテ・アルバンでは、テオティワカンとの交流によりテオティワカン様式の神殿を建設しているのです。テオティワカンとの違いは、都市全体が小さくまとまっていて、ピラミッドの基台の上に立つと全体をほぼ一望できるところでしょう。

南の基壇上から見た遺跡。
また、遺跡の背後には広大なオアハカ盆地の光景を一望できるため、雄大さを併せ持つ見栄えのいい遺跡と言えます。その点では、マチュ・ピチュと比較しても見劣りしないと思います。暑い場所ですので、マチュピチュのように雲がわく幻想的な光景は見れませんが・・・・。
遺跡そのものも、ピラミッド型神殿や天文台、球戯場などのバラエティに富んだ建造物がある他、ダンサンテ(踊る人)と呼ばれる、人間の姿を描いた石板のレリーフなどもあってなかなか面白いです。

天文台と呼ばれる建物。

ピラミッド型の神殿が並ぶ。

「踊る人」と呼ばれる、レリーフが施された石板が並んでいる。
それにしても、山の上で太陽の光を遮るものがほとんどない場所です。1時間もすると、疲れて頭がボーっとしてきます。帽子がないと日射病の危険もあります。南の基壇から北の大基壇を巡り、いくつもの神殿が組み合わされた複合建築物を見ていると、暑さと疲れで動くのが面倒臭くなってきます。
水を買い忘れたことを後悔しながら、わずかな木陰を見つけては休憩しながら中心部を見終えました。この時、発掘された王の墓を見てみたいなと思ったのですが、ここから少し離れた場所にあるのです。それでも、せっかく来たのだからと、炎天下を15分ほど歩いて103、104号墳墓に行ってみました。この辺まで来る観光客は誰もおらず、乾燥した大地に灌木の林が続いています。

住居跡と換気用と思われる器具が取り付けられた墳墓。

墓からはこんな装飾品が出てきた(オアハカの博物館で撮影)。
辿り着いた墳墓は発掘後埋め戻されたのでしょう、こじんまりした建物の跡と地下への空気穴が設けられているだけで、何にもありません。それでも、すごく静かな乾燥林に囲まれた場所で、木陰で休んでいると、涼やかな風が火照った肌に心地よく感じました。人がいない自然というのは落ち着きます。
モンテアルバンはマヤの主要な遺跡のように、見所が豊富ではありませんが、周囲の風景を含めて全体的な景色が素晴らしく、そこに立つと古代の人々の生活が想像できるいい遺跡だと思います。
私は、このモンテ・アルバンは3回目の訪問になりますが、最初の訪問と変わらず、楽しむことができました。
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オアハカでメキシコ料理を楽しむ!!
2014-02-25
日本ではメキシコ料理というと、タコスとトルティーヤばかりで、アメリカ南部のテクス・メクス料理のイメージが強いですね。しかし、 メキシコ料理は、食材の種類が豊富で地域性にも富んでおり、世界文化遺産に登録されるほど奥が深いのです。日本ではあまり食べられない、本場のメキシコ料理を食べるのも旅行の楽しみです。ということで、今回はオアハカで食べた郷土料理のリポートをします。
前々回紹介したプエルト・エスコンディードで食べたモレ・ネグロの味が忘れられなかった私は、モレ・ネグロの本場オアハカでも、食べてみようと思っていました。
そこで、レストランを調べ、次の3件を候補に挙げました。
ネットで高評価の「カーサ・オアハカ・エル・レストランテ」、地球の歩き方に紹介されていた「ラ・オージャ」、そして、名前を忘れましたが、アルカラ通りにあるギャラリーレストランで係の女性が丁寧に案内してくれた店です。
夜の街を歩きながらいろいろ考えた結果、今回は「ラ・オージャ」を選ぶことにしました。モレ・ネグロの値段が3軒で最も高い190ペソ(1600円くらい)でしたが、店の雰囲気が好きだったからです。
場所はサントドミンゴ教会から南に1ブロックの住宅街にあります。ちなみに「カーサ・オアハカ・エル・レストランテ」は、サントドミンゴ教会の南側に面しています。

サント・ドミンゴ教会の周辺はギャラリーやレストラン、カフェなどが多い。

住宅街の隠れ家的な雰囲気がいい、レストラン「ラ・オジャ」。
時間が早かったせいか、先客は一人だけ。内装は、いかにもメキシコっぽいのですが、宗教的な雰囲気もあってシュールな感じもします。高級店という感じではなく、といって庶民的でもない。しゃれた食事をカジュアルに楽しむという雰囲気です。
いつも飲み物はビールを頼むのですが、この日は気分を変えてモヒートを頼みました。日本でも流行っているカクテルです。このモヒートも結構難しいカクテルで、日本では1度もおいしいのを飲んだことがありません。
運ばれてきたモヒートはラムにミントの葉をミキサーにかけたもを合わせ、コップの淵に甘しょっぱい粉が付いています。一口飲んで、少し首が傾きました。まずくはないのですが、おいしいとも言えない。すり潰されたミントが多すぎて、うるさいのです。見た目もあまりよろしくありません。

店は明るいが、モヒートは黒っぽくて・・・・。
続いて、若鳥の胸肉モレ・ネグロソースかけが運ばれてきました。若鳥の部位は注文の時に指定できます。黒いソースの上にズッキーニの花が添えられているのは、見た目を良くしたいからでしょう。なにしろ、真黒な料理ですから。

これまで食べたメキシコ料理で最も高いものです。期待に胸を高鳴らせながら、ナイフでチキンを切り、タップリソースをつけてほおばりました。
「ん・・・・!?」
決してまずいとは言いません。しかし、プエルト・エスコンディードのモレ・ネグロの4倍もの価格なのに、はるかに劣る味。「これなら、タコスを食べたほうがいいな」という感じです。味は表現のしようがないのですが、プエルト・エスコンディードのモレ・ネグロのような、スパイシーで深いコクがあるソースではなく、ボーっとしたしまりのない味です。
手早く食事を済ませ、チップ込みで300ペソ(2500円くらい)を超えた支払いも済ませた私は、悲しみとともに夜の街をさまよいました。途中で、愛想のいいコーヒー屋の兄ちゃんにいれてもらったエスプレッソがやけにおいしかったことを覚えています。

オアハカには洒落たコーヒー屋さんも多いです。
モレ・ネグロというのは結構難しい料理で、なかなかおいしいのがないようです。
その翌日、オアハカ郊外の旅行に出た私は、昼食にブッフェレストランに寄りました。オアハカの郷土料理が何品も並んだ豪華な食事で、「よし食うぞ!」と意気込んだ私は、ここでもモレ・ネグロを見つけました。皿に大きな鶏肉を乗せ、その上からたっぷりモレ・ネグロをかけて、テーブルまで運ぶと。旅行で知り合ったスイス人の若者が、それを見て眉をひそめました。
「モレ・ネグロは嫌い?」と聞くと、暗い顔でうなずきます。私は、少し不安になりながら、スプーンでソースを口に入れました。その途端、舌に苦味がからみつき、吐き出しそうになりました。スイス人はニヤニヤしています。私は、その皿をウエイターに渡して「捨てて」と言ってしまいました。「だったら、最初から取るなよ」という感じですね。昨日のモレ・ネグロも決してまずくはなかったので、そんなにひどいモレ・ネグロがあるとは知らなかったのです。
うーん恐るべし、モレ・ネグロ。「もう、プエルト・エスコンディードのモレ・ネグロ以外は食べるのやめよう」とこの時、誓ったのでした。

メスカルというオアハカ特産の酒の専門店です。原料はテキーラと同じリュウゼツランです。オアハカに行ったらメスカルはぜひ飲んでください。
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オアハカは美しくて楽しい街
2014-02-06
メキシコ東部の古都オアハカにやってきました。オアハカは、スペイン人が築いた美しいコロニアル都市ですが、先住民文化が豊かな所としても知られています。

昔、この地方にはサポテカ、ミシュテカといった文化が栄えました。代表的な遺跡には、紀元前500年頃からサポテカによって建設が始まったモンテアルバンや、紀元700年頃からサポテカが建設を始めたミトラなどがあります。
ここには過去、二度来たことがありますが、いずれも街を楽しむ日程的余裕がありませんでした。今回は、遺跡より、ゆっくり街を見ようと思ってきました。
オアハカのバスターミナルに着いたのは、夜7時過ぎ。ここから街の中心まで歩くには少し距離があります。重い荷物を抱えて市内バスに乗りましたが、夕方は混んでいて大変です。隣にいた青年に、「街の中心に行きたいんだ」と言うと、「近くになったら教えてやるよ」と言われました。メキシコ人は多くの人が親切で、ひと声かけると気軽に応じてくれます。中には、黙っていても、声をかけてくれる人もいます。右も左もわからない旅行者にはありがたいです。
20分ほどで、青年に言われてバスを降りると、市場に近い場所でした。この周辺にはホテルが多いのですが、もう、遅いですから、近くにあった安そうなホテルに入りました。中庭に車が止められるようになっている地元客向けのホテルです。トイレとシャワー付きで230ペソ(1800円くらい)。室内は比較的きれいで問題ありません。
後で分かったのですが、実は1等のバスターミナルと街の中心の間には外国人旅行者向けの中級ホテル(★二つから三つ)が多く、歩いても行けます。この地域で後に泊まったホテルは1泊400ペソ(3200円くらい)でしたが、かなり居心地がいい部屋でした。
オアハカは、人口50万人以上を有するということですから、かなり大きな街です。ただ、中心部は歩いて十分に回れる程度で、コンパクトにまとまっています。中央公園になるソカロは樹木が生い茂り、木陰のベンチで休みながらアイスクリームなどを食べることもできます。周囲にはオープンテラスのレストランが並び、コーヒーやビールを飲む人の姿が一日中絶えません。巨大都市メキシコシティでは考えられない、のんびりした光景です。


ソカロのアーケードで昼からタンゴを踊る人たち。優雅!!
街のメイン通りは、アルカラ通りという遊歩道です。周囲にはレストランや土産物屋が並んでいますが、外国人観光客をターゲットにした高級志向の店が多いです。ただし、ちゃんとした土産物を買うならこの通りの店がお薦め。市場などには安い店がたくさんありますが、質もそれなりということです。

遊歩道に何で車が?・・・結婚式のためにホテルが用意したものでした。

夜のアルカラ通り。時間が遅くなると、土産物屋が店を出して大賑わいになる。
さて、オアハカは食事がおいしいことでも知られています。特に有名なのがオアハカチーズで、特徴は、長い紐のようになったチーズを裂いて食べれることです。日本にもある「裂けるチーズ」ですが、このルーツがオアハカチーズなのです。味の良さはもちろん、独特の食感も人気です。これを、トルティーヤに乗せて焼いて食べると、うまい具合にとろけて最高ですね。
次回は高級レストランで食べたモレ・ネグロのレポートです。
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隠れた?ビーチ「プエルト・エスコンディード」
2014-02-02
「風邪を治すため、暖かいところに行こう」ということで、サンクリから、12時間かけて太平洋岸のビーチリゾートであるプエルト・エスコンディード(隠れた港)にやってきました。名前の由来は知りませんが、メキシコ太平洋岸にいくつかある有名ビーチと比べ、海外ではあまり知られていない隠れビーチリゾートです。そのため、ここに来るのはメキシコ人が多く、ビーチ周辺はかなりローカルな感じです。
プエルト・エスコンディードのプラヤ・プリンシパル。船と魚を狙うペリカンが多い。
ただし、近年はプエルト・エスコンディードのメインビーチの隣にあるシカテラ・ビーチがサーフィンのメッカとして知られるようになりました。このビーチ周辺は雰囲気が違って、外国人観光客を相手にしたホテルやレストランが軒を連ねています。サーフィン好きの俳優、坂口憲二もテレビ番組でここに来たのを見たことがあります。
長いシカテラビーチ。人が少なく、欧米人が多い。
シカテラの海岸通り。洒落たレストランやホテルが並ぶが、結構リーズナブルな感じ。
実は、プエルト・エスコンディードの周辺は太平洋岸に点々とビーチがあり、できるだけ人が少ない場所を求める旅行者が次々に移動しているようです。たしかに、週末のプエルト・エスコンディードは人が多くて、ビーチもあまり綺麗ではありません。シカテラはいいのですが、波が荒いので泳ぐには向きません。
私は着いた日に道に迷ってしまい、エスコンディードの西の岬を越えた所にあるプラヤ・マンサニーリョに行ってしまいました。そうしたら、ここには波が静かで水も綺麗なビーチがあったのです。小さな海岸なのですが、両側が岩場になっていて、潜ると魚がたくさんいるのです。ここも、週末はメキシコ人で大賑わいになるのですが、平日は海岸に並ぶ海の家でベッドチェアに寝転がりながらビールを飲むという、楽園気分を味わえます。
プラヤ・マンサニーリョの海の家で朝食を食べた。海が綺麗だった。
こういったリゾート地で問題なのはホテルと食事ですね。カンクンのようなところに行くと、高いホテルしかなくて困るのですが、エスコンディードは主にメキシコ人相手ですので、安くて良質なホテルがけっこうあります。また、ちょっと高いホテルに泊まりたいなら、隣のシカテラビーチにたくさんあります。
残る問題は食事です。はっきり言ってエスコンディードには大した店がありません。ビーチに外国人相手の高いレストランはあるのですが、リーズナブルな店はメキシコ人相手の食堂が何軒かあるくらい。かえって、シカテラのほうが値段は少し高めですが、気が利いた店があります。
そんなことで食事に困っていたら、宿の主人が車でダウンタウンに連れていってくれたのです。観光客はあまり行かない市場のそばにおいしいレストランがあると教えてもらい、入ってみました。
店はバラックのような作りなのですが、店先に肉やチョリソを焼く炭火のグリルがあり、その後ろではトルティーヤを焼きながらオアハカチーズを載せたりしています。それは、おいしそうな光景でした。

昼時は客が多いのですが、私は少しずらしたため、問題なく座れました。すぐ、揃いの民族衣装を着た女性が来て、「今日の昼のメニューはこれ、これ、これ・・・」と、料理名を挙げていきます。メニューもあるのですが、彼女が言う中から選んだ方がいいと思い、以前から食べたかった「モレネグロ・コン・ポヨ(若鶏の黒モレソースがけ)」を頼みました。
モレというのはメキシコ独特のソースですが、地域によって少しずつ違います。オアハカの「黒いモレ」と言うと、プエブラ名物のモレポブラーノと同じ、チョコレートを使った真っ黒なソースになります。
黒いモレはけっこう難しい料理で、レストランによってはとんでもない味のものが出てきます。後日談ですが、オアハカのブッフェレストランで食べたこの料理はまずくて、食べられませんでした。ここのは、大きめの皿に真っ黒な液体がたっぷりかかったチキンがあり、脇にライスが添えてあります。見た目はおいしそうです。

慎重にナイフでチキンを切り、真っ黒なソースと共に口に入れました。その瞬間、誰かにその味を伝えたくなりました。「おいしい」という一言では済まない、奥深いこくと絶妙な甘み、そしてちょうどいい辛さ。私は嬉しくて、ウエイトレスに笑顔で「ビエン(グッド)」と伝えました。その味は、すごくこくのある黒カレーという感じです。
そして、キッチンで焼いているケサディージャ(チーズ入りトルティーヤ)を欲しいと伝えると、彼女はすぐに一枚持ってきてくれました。焼きたての香ばしいトルティーヤを半分に折り、タップリと溶けるオアハカチーズが入っています。もちろん、これもおいしかったです。
食事が終わり、勘定を頼むと、飲み物も含めてわずか75ペソ(600円くらい)でした。ちなみに、オアハカのレストランではモレネグロ一皿で150~200ペソ(1200~1600円くらい)もします。
「またここに来たいなあ」と思いながら帰りましたが、遠いためタクシーで来なければなりません。結局、一度きりになってしまいました。
次は、オアハカに向かいます。
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