本当のマヤ民族の姿を知るための本が出版
2010-03-22
「グローバル化時代を生きるマヤの人々(明石書店)」という本が最近出版されたました。これは大阪経済大学の桜井三枝子教授が、長期にわたる現地調査を行った結果を元に書き下ろしたもので、現代のマヤ民族が置かれた状況を克明に描き出しています。

マヤ民族については、テレビ番組を中心としたマスコミがいいかげんなイメージを作り上げたため、すでに滅んだ文明だとか、数少ない末裔がジャングルで原始的な生活をしているといった誤った情報が日本では流れています。
しかし、多くのマヤの人々は、現在でも伝統的な文化を守りながら、進みゆく近代化などの社会の流れの中で苦闘しているのです。一部の勢力は、こういう伝統的な価値観を持つ人々を排除しようとする動きを見せていますが、グアテマラはマヤの国であり、その伝統と文化こそが国民にとっても重要なアイデンティティの一つといえると思います。
最近のテレビ番組でも、マヤというと、世界滅亡の予言だとか、奇妙な儀式を行う民族といった取り上げ方が目立ちます。マヤが注目されるのは悪いことではないにしても、こうした傾向は誤解を生み出すことになりますから、あまりいいことだとは思いません。
ですから、こういう本格的なマヤの研究書が日本で出版されることには意義があると思います。ただ、一般の人が読むにはちょっと難しい本で、価格も高いです。そこが、ちょっと残念です。
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