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話題の映画「闇の列車、光の旅」を見た

 2010-06-28
 エル・サルバドルから米国を目指す少女とメキシコのギャングの若者の出会いと別れを描いた話題作「闇の列車、光の旅」を見てきました。

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 この映画は、日系米国人のキャリー・ジョージ・フクナガ監督が製作したもので、米国のサンダンス映画祭で監督賞を受賞したのをはじめ、様々な賞を獲得しています。

 この映画は、日系人が監督ということで、様々なメディアでも取り上げられました。評判も良かったため、期待は大きかったのですが、まあ、その期待にたがわず、いい映画だったと思います。

 日本人にとって、中米諸国はほとんど興味の対象外ではないでしょうか。南米に関しては、サッカーや遺跡などを通して知っている人も多いのですが、中米となるとどんな国があるかさえ知らない人がほとんどだと思います。

 この映画を見ると、エル・サルバドルを始めとする中米諸国の厳しい現実が迫ってきます。メキシコにも大変な状況があるのですが、それよりさらに苛酷な現実の中で生きる人々を見ると絶望的な気持ちにさえなります。

 この映画で特に印象的なのは、メキシコ南部のギャング団がやたらに刺青を入れていることです。主人公に殺されるギャング団のボスも顔全体に刺青をしていますが、こういう刺青はエル・サルバドルなどのギャング団も入れています。体なら服で隠せますが、顔全体に刺青をすれば隠しようがありません。これは、一度ギャングになったら死ぬまで抜けることはないという意思表示ではないでしょうか。

 以前ある映画監督が中米で殺されましたが、その監督が撮影していたドキュメンタリーでも顔中に刺青をしたギャング団のメンバーが登場していました。こういう人たちが生まれてくる社会の背景を考えると暗澹たる思いになりますが、そういう現実から目をそむけてはいけないとも思います。

 あと、スペイン語を学ぶ者として印象的だったのは、ギャング団がやたらVOS形の動詞を使っていたことです。本来のスペイン語にはない中米独特の用法ですが、グアテマラで勉強していたときに、先生から教えてもらったことを思い出しました。

 


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