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ペルー大統領選ケイコ候補が2位に

 2011-04-13
 4月10日にペルーで行われた大統領選挙の開票が進み、トップは元軍人で左派のオジャンタ・ウマラ(Ollanta Humala)候補(48歳)となりました。6月に行われる決選投票に進むことができる2位の座を、フジモリ元大統領の長女であるケイコ・フジモリ(スペイン語ではフヒモリと発音)候補(35歳)と元首相のペドロ・パブロ・クチンスキー候補が激しく争っていましたが、開票率90%を超えた段階で、フジモリ候補がクチンスキー候補にかなりの差をつけたということです。

 これで決選投票はウマラ候補対フジモリ候補になることが確実となりました。



 決選投票進出が確実になり、トレド候補にラブコールを送るケイコ・フジモリ候補


 今後は、この二人以外の候補を押した組織がどちらを支持するかが焦点になりますが、ペルーではすでに決選投票に向けた動きが加速しています。

 ウマラ候補は、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領やボリビアのエボ・モラレス大統領に近く、選挙戦では彼らから何らかの支援を受けたと疑われています。したがって、一般的な感覚ではウマラ候補の反米左派という強硬な政治姿勢を不安視する人たちや右派勢力はフジモリ候補を支持すると考えられます。
 
 ただし、強権的な政治姿勢を貫いたフジモリ前大統領の娘ということでケイコ・フジモリ候補を嫌う人たちも多いという事情があって一筋縄ではいきません。

 たとえば、ノーベル賞作家のバルガス・ジョサ氏は、左派嫌いで有名ですが、それ以上にフジモリ元大統領を政敵として憎んでいます。このため、今回の二人の決選投票について「独裁者の娘には絶対に票を入れない」と述べ、ウマラ候補に票を投じることを表明しています。

 一方、フジモリ候補は右派勢力の支持を得なければウマラ候補に勝てないため、3位のクチンスキー候補や4位のアレハンドロ・トレド候補にラブコールを送り始めています。

 両候補とも中道右派ということで、フジモリ候補支持に回れば決選投票でウマラ候補を逆転できる可能性が出てくるわけです。しかし、この二人の陣営もバルガス・ジョサ氏のように究極の決断を迫られており、フジモリ候補を支持するかどうか不明です。

 もし、ウマラ候補が大統領になれば、南米北部諸国のベネズエラ、ボリビア、エクアドル、ペルーが反米左派で一致してスクラムを組むことになるわけで、ラテンアメリカ全体に与える影響も少なくありません。11日のペルー株式市場はその不安を表すように2.31%下落したそうです。

 6月の決選投票までペルーの動きには目が離せません。


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