誤解するだろ「世界の村で発見! こんなところに日本人」
2011-10-10
昨日、テレビ朝日の番組「世界の村で発見!こんなところに日本人5」というのをやっていました。世界中の秘境っぽいところに住む女性をタレントが訪ねていくだけの番組ですが、ちょっとその作り方に疑問を覚えました。
「こんなところに日本人が!」という驚きを演出するため、現地を必要以上に厳しい環境にあるように描いているからです。
私が行った経験があるグアテマラのキリグア編を紹介してみましょう。
グアテマラの空港にお笑い芸人のレポーターが到着します。彼には通訳がついているものの、ストーリー的には現地事情を何も分からず、言葉も通じないレポーターが、現地の人に尋ねて目的地に向かうことになっています。最初は、道端のおっちゃんやおばちゃんにキリグアへの行き方を聞くため、目的地への交通手段がよくわからないのです。結局、おんぼろバスに乗って、とんでもない山道を苦労してキリグアに向かい、途中で食い物も満足にない村に泊まることになります。
また、途中で幻の鳥ケッツアル鳥を見つけに行ったりするのですが、それは道中があまりに単調なので仕方なく笑えるエピソードを挿入したのでしょう。そして、苦労してキリグアに着いたという風を装い、そこがとんでもない熱帯のジャングルに包まれたようなところという印象を視聴者に与えます。また、女性が住んでいるところも、水がないとか電気がないとかいっていました。
私がキリグアに行ったのは10年以上前のことで、この女性が住む宿はまだありませんでした。実は、このキリグアに行く道路を私が最初に通ったのは30年ほど前になります。その頃のグアテマラは反政府ゲリラとの内戦の真っ最中で、このテレビ番組そのままの厳しい旅でした。ただし、当時でもキリグアへの入り口にあたる幹線道路はそれほど状況が悪くなく、比較的簡単に行けたのです。ただ、バスはこの番組の通りでした。私は、バスが満員ぎゅうずめ状態で約24時間かけて北部密林地帯のフローレスという町まで行ったのです。キリグアまではグアテマラシティから4時間から5時間の行程ですから、問題になりません。
その後、グアテマラの治安は回復し、交通網もかなり発達しました。10年前にキリグアに行った時は、かなり快適な大型バスを使い、一眠りしている間にキリグア遺跡への入り口となる場所につきました。ここからはキリグア遺跡まで中型のバスが一時間に一本の割合で出ていたため、何の苦労もなく遺跡に到着しました。
キリグアは、首都グアテマラシティとカリブ海側で最も重要な港があるプエルト・バリオスを結ぶグアテマラで最も整備された幹線道路沿いにあります。このため、道路は頻繁にトラックやバスが行きかっています。帰りは、幹線道路に出て、やって来るバスに手を挙げれば止まってくれます。私は何台かのバスをやり過ごして、新型のき綺麗なバスを止めました。乗り込むと冷房がバッチリ効いていて、内装は日本のバスとほとんど変わらないほどきれいでした。また、女性スタッフが乗っていて、コカコーラやジュースなども売ってくれたのです。
この番組を見て、キリグアに行きたいけどこんなに苦労するのは嫌だなと思った人がいたら、それは間違いです。ちゃんと観光局などの事務所で聞けば快適に旅行できるようになっています。また、現地に泊まっても宿泊客がそんなに不便を感じることはないし、食べ物もそんなにまずいわけではありません。私の経験では、メキシコの料理よりグアテマラ料理のほうがはるかにおいしかったのです。

マヤで最も背が高い石碑と言われるキリグアの石碑E
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