シパン王とシカン文化の二大博物館巡り
2013-02-02
高原都市カハマルカから、また海岸沿いに戻り、チクラヨという街にやってきました。
チクラヨの中心部
ここはいわゆるコロニアル都市ではなく、一般的な商業都市です。周辺ではサトウキビや水稲の栽培が盛んで、関連する工場が郊外にたくさんあります。砂漠地帯ではありますが、山間部に降る豊富な雨が水量豊かな川となって周辺の農地を潤しているのです。
街はかなりこじんまりしていますが、人と車はかなり多くて疲れます。
この街の近くには、モチェ文化のシパン王の墓をはじめとした遺跡や博物館と、島田さんという米国の大学に所属する考古学者が発掘して日本でも有名になったシカンの遺跡や博物館があります。
この辺の遺跡と博物館巡りもツアーを利用すると便利です。ただ、客が集まらないとツアーは行われないという問題があります。私の場合も、最初のツアー会社でシパン・ルートを回り、翌日はその会社のツアーがなかっので別のツアー会社のシカン・ルートに参加したのですが、ちょっと悲しい結果になりました。
さて、一日目は、A社のシパン・ルートに参加しました。シパンというのは、紀元100年~700年頃にかけてペルー北部の海岸地帯で栄えたモチェ文化の最後の王様セニョール・デ・シパンのことです。1987年にチクラヨの東にあるワカ・ロハダというピラミッドの下から、このシパン王のミイラと膨大な量の金銀などが発見されたのです。
ツアーはまず、なぜかシパンではなく、シカン文化の遺跡とされるトゥクメに向かいました。車で1時間ほどで到着し、ガイドを先頭に遺跡に入ります。

トゥクメ遺跡は泥の小山のようなピラミッドが並ぶ
ここには26ものピラミッドがあるそうですが、アドベ(日干しレンガ)造りで、風雨によって浸食されているため泥の山にしか見えません。小高い丘の上に展望台が設けられていて、そこから見ると周辺に崩れたピラミッドが並んでいるのが分かります。景色はいいのですが、発掘現場も見れないし、遺跡としては面白いものではありません。

トゥクメ遺跡を見渡す展望台
次は、いよいよシパン王の墓の出土品を展示している「シパン王墓博物館」に向かいます。ここは、モチェ王国のピラミッドのデザインを取り入れた非常に立派な建物です。ただ、警備が厳重で、内部の写真が撮れないだけでなく、携帯なども持ち込み禁止です。

シパン王墓博物館の外観
博物館の展示品は素晴らしいです。金銀宝石を身につけたモチェの王様が埋葬された様子がよくわかるし、膨大な量の装飾品の細工の素晴らしさにも感嘆します。
この後、近くのレストランで昼食をとり、午後からシパン王の墓が見つかったワカ・ロハダに行きました。ここでは、発掘時のシパン王の墓が再現されており、上から覗き込んで、どんな状態で発見されたのかを見ることができます。

ワカ・ロハダのシパン王の墓の再現模型
これでシパン・ツアーは終わりです。翌日は、別会社主催のシカン・ツアーに参加しました。 このツアーは、モチェとチムーという二つの大きな文化の間に栄えたと言われるシカン文化に関する場所を巡ります。
最初は、シカン文化の中心地であるバタン・グランデで発掘された王の墓から出土した埋蔵品などが展示されたシカン博物館に行きました。ここも、シパン王墓博物館に劣らず優れた展示で王が身につけていた黄金の装飾品の見事さに驚きます。

シカン博物館にある王の再現模型
次は、シカン発掘の現場であるバタン・グランデに向かいます。ポマックの森という、砂漠の中にある潅木が生い茂る場所の中にいくつものピラミッドがあり、その中のワカ・ロロというのが王の墓が発掘された場所です。
しかし、外観は単なる泥の山ですから、この辺りでそういうピラミッドは珍しくありません。ツアーでは車の窓からピラミッドを見ただけでスルーしてしまいました。こんなものを見るより、早く次のトゥクメ遺跡に行った方がいいということでしょう。しかし、私は前日に行っていますので、パス。ところが、次に行ったのも昨日行ったシパン王墓博物館だったのです。
結局、この日のツアーの見所はシカン博物館だけだったわけです。なんともはや、とんでもない二日目になりました。
次は、いよいよ今回の旅行のハイライトであるクエラップ遺跡に向かいます。
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