クスコ近郊の4つの遺跡巡り
2013-02-16
クスコ近郊のインカの遺跡には、クスコの背後を守る巨大要塞サクサイワマン、小山のような巨石に様々な加工を施してあるケンコー、インカの宿場であるタンボ・マチャイ、山上の古城プカ・プカーラがあります。 この4つの遺跡は、ツアーなら半日で回れますが、私はコレクティーボ(乗り合い自動車)を使ってゆっくり回ることにしました。
クスコの町外れにあるバス停をタンボ・マチャイ行きのワンボックスカーのコレクティーボが通ります。これに乗ると、クスコの裏側に位置する山をどんどん登っていきます。約40分でタンボ・マチャイに到着。料金は2ソーレス(80円弱)でした。
ここでは、インカ特有の見事な石組みと、乾期でも枯れない水を導く技術を見ることができます。小さな遺跡ですが、周囲の景色が良かったため、遺跡を見下ろす丘に登ったりして楽しみました。

タンボ・マチャイに流れでる水。それがどこから来ているのかわからないようだ。
この遺跡のはす向かいに位置するのがプカ・プカーラ遺跡です。こちらは山の上に位置する小さな城塞で、丘を石垣が取り囲む形になっています。城塞の上から周囲をよく見渡せますので、山を越えてクスコに迫る敵に対する備えとして作られたものと考えられます。ここからの景色もなかなかいいです。

丘の上にある砦であるプカ・プカーラ
ここで、タンボ・マチャイ行きのワンボックスカーが戻って来るのをつかまえ、ケンコーに向かいます。歩いても下り坂を40分程度ですが、標高が高いため慣れないうちは無理は禁物です。のんびりと走るワンボックスに乗って約10分でケンコーに到着。料金は40円弱でした。
ケンコーには宗教儀式のために作られたという不思議な巨大加工岩があります。もともとそこにあった大きな岩の表面を削って平らにしたり、階段を作ったり、くり抜いて通路を造ったりしてあります。ケンコーというのはギザギザという意味で、その名の通り、岩の上にはギザギザの形が彫られています。インカ時代には、そこに犠牲の血などを流す儀式が行われたそうです。

離れて見ないと上部が見えないケンコー。ギザギザはよく分からない。
ただし、今は石の上には登れなくなっているため、遠目でしか上部を見ることができません。どこの遺跡も規制が厳しくなり、自由に見学できないのは残念です。
ここから、クスコを望む要塞サクサイワマンまで歩いて20分ほどです。その見所は、巨大な岩を組み合わせて築いた石垣です。それも見事な加工で隙間なく組み合わせており、インカの技術の粋を見ることができます。石組み加工の美しさではクスコ市内の石垣のほうが優れていますが、石の大きさではこちらが遙かに勝ります。
かつて、サクサイワマン要塞に立てこもるインカ軍に対し、スぺイン軍は何度も攻撃しましたが、堅固な守りの要塞が陥落することはなかったそうです。巨大な石垣の上に立つと、守りやすく攻めにくい、優れた要塞であるのがわかる気がします。
今の時期は毎日雨が降るのですが、この日も午後3時頃から雨が降り出しました。サクサイワマンを半分も見ない内に降りが激しくなり写真も撮れません。残念でしたが、遺跡巡りを中止してクスコに戻ることにしました。
帰り道はクスコに向けて坂を下ります。道は流れる水で川のようになり、カッパを着ていてもズボンはぐしょ濡れ、寒さも増してきて、仕方なく途中にあった教会に避難しました。すると、そこにいた係員と無駄話に花が咲き、彼が教会の鐘楼に上らせてくれたのです。
狭い石段が続く通路を辿って大きな鐘が二つ下がった鐘楼に出ると、目の前に中央広場を中心としたクスコの町並みが広がっています。下からでも街は見えるのですが、これほどきれいには見えません。「サクサイワマンは残念だったけどこれが見れたのはよかった・・・」と思いながら、しばし、絶景を楽しみました。
次はピサックに向かいます。
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