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テレ朝日「世界の村で発見!こんなところに日本人」はフザケてる!

 2013-05-24
 金曜日はテレビ東京で「世界ナゼそこに?日本人」、テレビ朝日で「世界の村で発見!こんなところに日本人」、という、似たような番組が放送される日です。

 本日5月24日は、テレビ東京の番組がイースター島に移住した日本人夫婦、テレビ朝日の番組がメキシコの村に住んでいる女性を紹介していました。

 同じような番組ではありますが、番組の作り方は少し違いますね。テレビ東京は結構真面目で日本人の人生を詳しく紹介する感じで作っていますが、テレビ朝日は相変わらずふざけた作りになっています。ふざけて、大げさにしたほうが、視聴率が取れるのでしょうが、あまりにいいかげんな紹介をされるとイラっとします。

 テレ朝の番組、メキシコの村に住む女性を女優が訪ねるというストーリーはいいのですが、最初にメキシコシティで、「その村を知っているか?」とか、「そこまでどうやって行けばいいか?」を町の人に聞くのはあまりにもバカげています。例えば、東京で鹿児島の地方部の小さな村の名前を尋ねて知っている人に出会うことなどまずないし、そこまでどうやって行けばいいか聞くなんてありえないでしょう。

 そんなこと、ネットで調べればすぐ分かる時代だし、どこかに行きたいならツーリストインフォメーションに行けばいい。それなのに、わけの分からないやり取りを地元の人と繰り返した挙句、外国人旅行者はまず利用しないローカルのバスターミナルに行って、「メキシコはこんなすごい危険なところだ」という印象を視聴者に与えようとしているのだからあきれます。

 メキシコは日本の5.3倍の国土を持ち、地方性が非常に豊かです。このため、同じ国でありながら、この村があるチアパス州は中央部の州とはまるで別の国のような感じなのです。ただし、交通インフラはかなり発達しており、高速道路網が全土を結び、設備の整った長距離バスが頻繁に行き交っています。長距離の移動には快適な1等バスを使うのが一般的で、メキシコシティには行き先方面別に巨大なバスターミナルが設けられています。

 アメリカのような航空機主体の国と違い、メキシコはバス主体の国ですから昔から長距離を移動するバスは非常に設備がよく、主要都市のバスターミナルも非常に綺麗です。国が大きいだけに移動に時間がかかるのは確かですが、かなり快適に旅行ができます。番組作りとしてそれでは面白くないためいろいろ考えて視聴者を面白がらせようとしているのでしょうが、それが「メキシコはこんな変な国だ」というミスリードにつながっていることには注意が必要です。


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サンクリストバル・デ・ラス・カサスの街角


 さて、日本人女性が住むチアパス州のシナカンタン村ですが、この地方はマヤの伝統文化が今も息づく地方で、マヤ文明の研究をしている人の間では有名な村です。また、村に行くために経由したサンクリストバル・デ・ラス・カサスは、メキシコの数ある町の中でもバックパッカーの人気が非常に高い町です。

 私も、これまで二度滞在しましたが、最初に滞在した1980年のこの町はスペイン植民地時代の街の雰囲気とマヤの民が持つ伝統文化が交じり合う、幻想的で落着いた雰囲気が素晴らしい町でした。

 今は旅行者の人気があり過ぎて、観光地化が進みすぎた嫌いはありますが、昔の雰囲気はまだ守られています。「この町に滞在すると他の町に行きたくなくなってしまう」という旅行者の声もよく聞きます。

 もちろん、町の郊外にあるシナカンタンやサンファン・チャムラといった村も、古くからのマヤの伝統を守る人々が住む素晴らしいところです。

 このような番組では、この地方の良さを伝えることなどできないと思いますから仕方ありません。しかし、単に「すごい僻地に住んでいる日本人がいるんだ」などと勘違いしないでいただきたい。ここは世界中の旅行好きが憧れる、有名な場所なのです。

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祭りの日に教会に来たマヤ民族の子どもたち


 もし、メキシコ旅行をするなら、少し時間をとってサンクリストバル・デ・ラス・カサスとシナカンタン村、サンファン・チャムラ村を訪ねてほしいと思います。きっと、忘れられない思い出が作れると思います。


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