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ペルー古代文明の王族の墓で大発見

 2013-07-01
 6月27日、南米ペルーで、かなり規模の大きい古代文明の王族の墓の発掘調査が行われ、3人の女王と60人の遺骨、金銀の装飾品など約1000点あまりが発見されたというニュースがありました。

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 これは、南米のツタンカーメンと呼ばれたシパン王の墓の発見以来の出来事と現地の新聞は伝えており、テレビのニュースでも詳しく取り上げられています。

 この発掘は、首都リマの北方約300kmに位置するウァルメイという街にあるエル・カスティーリョ・デ・ウァルメイ(El Castillo de Huarmey)遺跡でポーランドとペルーの合同チームによって行われていました。

 この遺跡は西暦700~1000年頃にペルーのアヤクチョ地方を中心に栄えたワリ文化のものとされ、今回の発見があった王墓は約1200年前のものと考えられているそうです。

 このワリ文化というのは、ペルーの南部から北部にまたがる広大な帝国を築き上げたとされますが、同時代にペルー南部からボリビアにかけて栄えたティワナク文化とアンデス地域を二分していたとされています。ペルー北部海岸部では、ほぼ同時代にシパン王のモチェ文化も栄えており、この両文化の衝突、あるいは棲み分けがどうなっていたか、まだよくわかっていないようです。

 ペルーでは多くの遺跡が盗掘者によって暴かれて、貴重な遺物が持ち出されてしまっています。ワリ文化の遺物は非常に精巧な工芸品が多く、このエル・カスティーリョ・デ・ウァルメイでも、盗掘が繰り返されて、多くの遺物が散逸してしまったそうです。そんな中、発掘チームは航空写真と電磁波地中レーダーを使って遺跡を精査し、盗掘者が見つけられなかった地下の霊廟を発見したということです。

 ペルーで最大の発見とされたシパン王の墓の発見は1987年のことでした。現在、その優れた遺物はシパン王墓博物館に展示されており、古代文明が生み出した驚異的な工芸品の数々を見ることができます。また、島田教授が発掘したシカン文化の優れた工芸品も国立シカン博物館に展示されています。見るべき遺物があまりないインカと比べると、これは驚異的な質と量なのです。
 
 これまで、インカにばかり関心が行き、北部ペルーの文化に目を向ける人は少なかったのですが、このエル・カスティーリョ・デ・ウァルメイの遺物が公開されると、モチェ(シパン)、シカン、ワリという三つの優れたプレインカ文化の遺物をリマの北部で見ることができるようになるわけです。いつになるか分かりませんが、シパン王墓博物館のような施設でこの遺物を見てみたいものです。


現地のニュース映像


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