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世界遺産の巨大遺跡、テオティワカンへ行く!

 2014-03-27
 メキシコシティ近郊の定番観光地と言えば、何と言ってもテオティワカンでしょう。

 私が宿泊したサンフェルナンド館でも、多くの泊り客がこの巨大遺跡に行くと言って出かけます。

 私は34年前に一度ここに行きましたが、それ以来、行く機会は何度もあったものの、行ったことはありません。なぜかと言えば、最初の印象が、あまりにもつまらなかったからです。今回は、前回の訪問から長い時間がたち、かなり変わったところもあるだろうと考え、出かけてみることにしました。同宿の若者二人も行くというので一緒に出発しました。

 シティの北ターミナルからテオティワカン行きのバスに乗り、約1時間ほどで遺跡の入り口に着きました。地図によると遺跡の出入り口は5カ所あるのですが、今回入ったのは南西の第1出入り口からです。ここから入るのであれば、まず近くにあるケツアルコアトル神殿を見てから北に位置する太陽のピラミッドを目指すのが効率的です。しかし、出入り口が複数あるとは知らなかった私たちは、「まず、太陽のピラミッドに登ろう」ということで、そこから北に向かってしまったのです。これが間違いでした。

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炎天下の死者の大通りを歩く。

 広大なテオティワカンは、死者の大通りという広い道が南北に貫いており、この両側にピラミッド神殿や宮殿、住居跡などが並んでいます。私たちが遺跡に入った場所から太陽のピラミッドまでは2㎞ほど離れているのですが、周囲には高い建物や樹木がほとんどないため、日陰もないのです。高原の砂漠地帯ですから、強い日差しが容赦なく照り付けます。気温は40度近くあるでしょう。脱水症状を起こさないように、途中で買った水を飲みながら、炎天下を歩き続けました。

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大通りの途中にある広場。周囲には様々な建造物が並ぶ。

 周辺の見学をしながら1時間ほどで太陽のピラミッドに着きました。しかし、目の前にそびえるその大きさに、頑張って登ろうという気持ちがなかなか出てきません。二人の若者がどんどん登っていくので、私もなんとか着いて行こうと思い登り始めました。

 太陽のピラミッドは、高さが65mあります。メキシコ・中米地域では、先日紹介したチョルーラのピラミッドがほぼ同じ高さですが、グアテマラのエル・ミラドールにあるラ・ダンタというピラミッドは72mもあるそうです。チョルーラのピラミッドは比較的簡単に登れるのですが、太陽のピラミッドは太陽が容赦なく照り付ける斜面の階段を上りますので、非常に疲れます。傾斜がきついという人もいますが、マヤのピラミッドに比べればなんてことはない角度です。

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太陽のピラミッド。近くで見るとやはり大きい。


 頂上に着くと、目の前の死者の大通りと、その北の突当りに高さ47mの月のピラミッドが一望できます。遺跡の景色はなかなかいいのですが、周囲の自然は茫漠たる荒野が続いているだけという感じです。頂上にはパワースポットとされる小さな金属が埋め込まれていて、それに触ろうとするメキシコ人が集まっています。日本人より迷信深いメキシコ人の方がパワースポットのような見えない力に対する関心が高い感じがします。

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ピラミッド上部の階段から見た死者の大通りと月のピラミッド(右端)。

 太陽のピラミッドから降りると、暑さと疲れで、それ以上歩きたくなくなりました。しかし、まだ、月のピラミッドや宮殿が残っています。若者二人もさすがに疲れたようで、「もう月のピラミッドはいい」と言います。私はケツアル・パパロトルの宮殿だけは見たかったので、二人を促して月のピラミッドの近くにある宮殿に向かいました。

 遺跡の北西に第3の出入り口がありますが、ここから月のピラミッドに向かう途中にあるのが、ケツアル・パパロトルの建物や羽毛のある貝の神殿です。テオティワカンには繊細な彫刻が少ないのですが、ケツアル・パパロトルの宮殿の柱にはケツアル鳥と蝶(パパロトル)を合体させたレリーフが施されています。その眼には黒曜石がはめ込まれていて、見栄えがよくなっています。

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宮殿の柱に施されたケツアル・パパロトルのレリーフ。

 本来であれば、これで見学を終え、近くの出入り口から出てバスを待てばいいのですが、私たちはケツアルコアトルの神殿をまだ見ていません。二人も「これは絶対に見たい」と言うので、今度は死者の道を2km以上戻ることになりました。行きは、それでも周囲の建造物や遺構を見学しながらでしたので、それほどきつくはなかったのですが、帰りは炎天下をひたすら歩くのみです。しかも、死者の大通りが平坦なのは太陽のピラミッドの少し先までで、そこからは広場に続く階段を上ったり下りたりの、アップダウンがあるのです。

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死者の大通りの北端から南を望む。左にあるのは太陽のピラミッド。
 
 ケツアルコアトルの神殿を取り巻く、城壁まで辿り着くとへとへとになっていました。ケツアルコアトル神殿は、シティの人類学博物館に実物大の美しい復元模型がありますが、テオティワカンのハイライトと言えるピラミッドです。以前はピラミッドの下の見学道路を通って見たのですが、現在は向かいの神殿の上に登って見るようになっています。ピラミッドの壁面に据え付けられた羽毛の蛇ケツアルコアトルや雨の神トラロックの像が近くで見れるように、神殿の途中まで降りることができる見学路も備えられています。これを見ると、あきらめずに来てよかったと思いました。

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階段状ピラミッドの神殿の反対側にケツアルコアトル神殿がある。


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ケツアルコアトル神殿の壁面に据えられた神の像。


 後から人に聞くと、太陽のピラミッドに上ったのが間違いだというのです。テオティワカンには興味深い場所がたくさんあるのに、山登りで力を使い果たすから重要な場所を見れなくなるというわけです。そういえば、今回も見たいと思っていたのに見れなかった場所が結構あるのです。でも、もう一度行く気には当分なれそうもありません。
 


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