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メキシコ国立人類学博物館に行く!

 2014-05-10
 今回はメキシコシティにある国立人類学博物館に行きます。

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メキシコ国立人類学博物館の正面

 メキシコはマヤ、アステカ、テオティワカンなどの古代文明が栄えた国だけに、これらの文明が残した豊富な遺物を展示する国立人類学博物館は非常に見応えがあります。私は、これまで5~6回行きましたが、何度見ても新しい発見があり、飽きません。

 博物館はメキシコシティ最大のオアシスと呼ばれるチャプルテペック公園の中にあります。交通機関は地下鉄が便利で、最寄り駅はメトロ7号線のAuditorio(アウディトリオ)になります。ただ、シティの中心部から行くと遠回りになり、乗り換えも面倒です。

 そこで、シティの中心から近いメトロ1号線のChapultepec(チャプルテペック)駅で降りて、チャプルテペック公園内を歩くことにしました。この日は日曜日だったため、公園内は休日を楽しむ大勢の人で賑やかでした。

 チャプルテペック駅から公園の中を抜けると15分ほどで博物館に着きました。前庭の林の中を見ると、華やかな衣装を着た男たちが数人固まっています。この場所ではメキシコ湾岸で栄えたトトナカの伝統儀式ボラドーレスの演技が行われています。

 さて、入場券を買っていよいよ博物館に入館です。ちなみに、以前は、博物館や遺跡は日曜日は無料で入場できましたが、今はそういうことはありません。メキシコ人は今でも無料のようです。

 正面から中に入ると中庭に出ます。展示室の建物は周囲を取り囲むコの字型になっていますが、まず、レリーフが施された金属製の巨大な柱が目に入ります。これは噴水で、通常はかなりの量の水が流れ落ちているのですが、この日は水がなく、ちょっと迫力不足でした。

 見学順路は、向かって右側の建物にある最初の部屋から始まります。まず、「考古学イントロダクション」の部屋があり、次に、氷河期の終わりに旧大陸からベーリング海峡を渡って先住民が新大陸に渡った「アメリカ定住」になります。

 初めのうちは体力があるので、この辺をどうしても時間をかけてみてしまいます。しかし、ここは軽く流さないと、後で重要な展示が出てきたときには疲れてしまっていて、見るのが面倒になってしまいます。

 重要な展示は、4番目の部屋の「テオティワカナ」から始まります。室内には、メキシコシティ近郊にある巨大遺跡テオティワカンにあるケツアルコアトル神殿の実寸大復元模型が聳えており、その他の展示品も素晴らしいです。

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ケツアルコアトル神殿の復元模型


 次は「トルテカと古典期後期」で、ここにはトルテカ文明の代表的な遺跡であるトゥーラにあるピラミッドBの上に立つ巨大な石像が立っています。ここも見応えがあります。

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トゥーラの石像


そして、次がコの字型展示棟の中心部分にあたる「メシーカ(アステカ)」になります。各展示室の中で最大の広さを誇るこの部屋には、アステカ文明が作り出した石像や石板などが所狭しと置かれており、一歩、部屋に入っただけで感嘆の声が出るほどです。

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メシーカ室の石像群。後方にあるのが太陽の石。


 この部屋の目玉は、一般的にはカレンダーと理解されている巨大な石板「太陽の石」です。展示の解説には「不当にアステカカレンダーと呼ばれた」と記されています。

 また、個人的に惹かれるのは、アステカの最高神ウィツィロポチトリの母、コアトリクエの巨大石像です。二つの蛇が合わさった頭、ガラガラ蛇のスカートをまとい、お腹には髑髏という迫力あるデザインに、多くの人が驚くでしょう。テノチティトランの中心部に置かれていたのを見つけたスペイン人は、その影響力を封じるため地中に埋めてしまったのです。

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迫力あるコアトリクエの石像


 この部屋は、迫力ある石像が多いので、どうしてもそちらに目を奪われるのですが、アステカの優れた工芸品も見逃せません。代表的なのは、黒曜石の猿の壺です。大きな黒曜石の塊を丁寧に掘り出して、猿が大きな壺を背負っているような形にしているのですが、これだけの作業を人の手だけでやったと思うとため息が出ます。

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黒曜石の猿の壺


 ここまでが、メキシコ中央高原の歴史を辿っている、いわばこの博物館の中心展示です。この後は、それ以外の地域の文化の展示となります。

 まずは「オアハカ文化」の部屋で、ここにはメキシコ東部のオアハカ地方にあるモンテアルバン遺跡の墳墓の模型などがあります。続いて、「メキシコ湾岸の文化」の部屋で、ここには中米地域で最も古いとされるオルメカ文明が残した巨石人頭像や、湾岸のエル・タヒン遺跡などで知られるトトナカ文明の土偶などが展示されています。

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オルメカ文明の巨石人頭像


 この辺まで来ると、疲労がピークに達してきて、見学がかなりい加減になってきます。時間があれば、館内のレストランでコーヒーなどを飲んで一服したいです。

 さて、次がいよいよ「マヤ」です。マヤに関しては、大量の出土品があり、専門博物館も多いため、必ずしもこの展示室が優れているわけではありません。ただ、ここにはメキシコ東部のパレンケ遺跡で発掘されたパカル王の墓の出土品があるのです。特に、パカル王がかぶっていたヒスイの仮面が有名です。また、今は現地で見ることができなくなったパカル王の墓の実寸大模型があり、その神秘的な雰囲気を味わうことができます。

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パカル王の墓の復元模型


 そのほか、マヤの彫刻の最高峰と言われるヤシチュラン遺跡の石碑の実物など、マヤ室には見所が多いです。お薦めは、展示室の後ろの庭にある遺跡の実寸大復元模型です。ここには、マヤで最大と言われるグアテマラのキリグア遺跡の巨大石碑の複製も展示されています。

 この後、展示室は「西方文化」、「北方文化」と続きますが、すでに体力は限界に近くなっていますので、見ているのに、ほとんど覚えていません。もし、強靭な体力があるなら、1階の考古学の展示室を見終わった後は、2階に文化人類学の展示がありますので、回ってみるといいと思います。

 ああ、疲れた・・・。


 
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