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絶景のマヤ遺跡、ヤシャに行く!!

 2015-03-12

 サヤスチェからフローレスに戻ると、旅行社の若者から声を掛けられ「ヤシャ遺跡のツアーがある」と言われました。聞くと、2人の客が明日ヤシャに行くというのです。参加費はガイド込みで175Q。私はオフィスに行き、責任者にツアーが出ることを確認してから申し込みました。

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旅行社のオフィスがあるフローレスの街路。


 翌日、午後2時発のヤシャ遺跡ツアーに参加しました。なぜ、午後からなのか不思議でしたが、後で分かりました。同行の客は南米のチリから来た中年の夫婦でした。

 ツアーのワンボックスカーはサンタエレーナから東のベリーズ国境に向けて走り、途中で方向を北に変えます。1時間半ほどで遺跡の入り口に到着しました。ここで、ガイドから入場料と延長料金について説明を受けました。遺跡の入場時間は午後6時までとなっており、残り2時間半ほどです。ただし、希望者は別料金を払えば6時以降も遺跡内にとどまることができるのです。なぜ、暗くなる時間に遺跡内にいる意味があるのかというと、日没の景色が見れるからです。ツアーが午後2時発になっている理由もこれです。

 「このことを知らない一般客は6時前に帰ってしまうが、夕日がジャングルに落ちる景色は絶対に見たほうがいい」とガイドが言います。私たちは「なるほど・・・・?」と思いながら、入場料と延長料を支払いました。ガイドが、料金を払った印であるリストバンドを全員に配ります。通常の入場者がズルをして6時以降まで残るのを防ぐためでしょう。

 
 駐車場から遺跡内に入ると、まず、「天文観測用複合施設(小)」というような名前の場所に出ます。ここにはきれいに修復された形の良いピラミッドがあります。説明によると、この複合施設が建設されたのは西暦700~800年で、マヤ人はこの上から太陽の運行などの天体観測を行っていたのです。この建築物を見ると、ヤシャがワシャクトゥンやアグアテカと比べて、かなり規模の大きな遺跡だという感じがして、期待が膨らみます。

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天文観測用複合施設にあるピラミッド


 実際に回ってみると、この遺跡は非常に規模が大きく、ピラミッド、宮殿、球戯場など見所も多い遺跡であることが分かりました。特に印象に残ったのは、三つのピラミッド型神殿が向き合う北のアクロポリスと、高さ30mを超える大ピラミッド「赤い手の神殿」が聳える東のアクロポリスです。

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北のアクロポリスのピラミッドに登ると左右に向き合うピラミッドが見える。

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タブレロ神殿と名付けられた、重厚感あふれるピラミッド。


 歩いていると、周囲に響くホエザルの声が特に大きくなりました。遺跡に行く度に聞く声ですが、姿を見たことはまだありません。ガイドが「ヤシャ遺跡の中は観光客の数よりサルの数の方がはるかに多い」と言いながら、姿を探します。間もなく、木の上にいるホエザルを発見しました。「ようやく見れた!」と思ったのですが、その後で北のアクロポリスのピラミッドに登ると、なんとそのすぐ横の木の上で遊んでいるのです。猿としてはかなり大型ですが、怖ろし気な声に似合わず、顔は愛嬌があります。私たちがかなり近くにいるのに、気にする様子もなく、あくびをしたり、木からぶら下がって、逆立ちしたりしていました。

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ピラミッドの横でホエザルが遊んでいた。


 遺跡内部はかなり広く、様々な建造物がありますので、ガイドの説明を聞きながら歩くと時間がかかります。6時近くになり、夕日を見るために、この遺跡最大のピラミッドに向かいました。

 「赤い手の神殿」と呼ばれるピラミッドには、ティカルの4号神殿と同じように足場が設けてあり、楽に上ることができます。ピラミッド上部の神殿部分は森の上に出ていますので、周囲のジャングルと、その先にあるヤシャ湖が一望できます。夕日は、ヤシャ湖の先のジャングルに沈むのです。

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森の上に頭を出した赤い手の神殿

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赤い手の神殿には足場が設けてある。


 神殿の前に到着すると、すでに別のツアーの人たちが7~8人腰かけて、沈みゆく夕日を眺めていました。すぐそばまで迫っている森ではたくさんの小型のサルたちが声をあげながら移動しています。ガイドが「クモザルだ。人間の数よりずっと多いだろう」と言います。クモザルは手足の長い中型のサルです。

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赤い手の神殿の上で夕日を見る。


 夕日はどこで見ても美しいですが、大自然の中で見るのは、また、格別です。この日の天気は、雲一つない、いわゆるドピーカンでした。ピラミッドの上で太陽の光を浴びながら、ジャングルや湖の色が変化する様子を見ていると、厳かな気持ちになります。昔、マヤの神官たちもここから太陽を見ていたことでしょう。そう考えると、古代と現代がつながる気がして、静かな感動が湧いてきます。

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美しい夕日が見れた。


 太陽がジャングルの漆黒の影に溶けるように沈み込んでいき、辺りを闇が包みはじめる頃、私たちはピラミッドを降りて帰路に着きました。単純とは思いますが、感動の余韻がいつまでも残っており、車の中で、私とチリ人の夫婦は上機嫌でいろいろな話を続けたものです。


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タグ : ヤシャ
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