色鮮やかな壁画が残るカカシュトラ遺跡へ
2016-03-24

カカシュトラ遺跡
今日はカカシュトラという、最近、注目されるようになった遺跡に行きます。
場所は、トラスカラ州の州都トラスカラから1時間ほどのところなのですが、プエブラからも1時間半ほどで行けるそうです。観光案内所で聞いたところ、「プエブラの中央ターミナル(CAPU)から直行のバスがある」と言います。
そこで、市内循環バスに乗ってプエブラの郊外にあるCAPUまでやってきました。ところが、どのバス会社に尋ねても、「直行バスは無い」と言うのです。仕方なく、まずサカテルコという町まで行き、そこでバスを乗り換えることにしました。
ターミナルを出て40分ほどでサカテルコに到着。バスを降りた所に、乗り合いのバンが停まっていたので「カカシュトラに行く?」と聞くと、「行くよ!」と言います。こんなに間単に乗り換えができるとは思いませんでした。
しかし、この乗り合いのバンは、かなり時間がかかる上に、客室の中央を空けたロの字形の座席がよくありません。横座りの苦しい体勢に道路の激しい振動が加わり、気分が悪くなりました。
1時間ほどで、ようやく、山の上にある遺跡の入り口に到着。立派な門をくぐって中に入ると博物館があります。展示物は遺跡から発掘された壷や香炉などですが、目を引くのは、遺跡にある鮮やかな色の壁画を再現した展示です。これから本物が見られるという期待が高まります。

カカシュトラ遺跡の入り口
メキシコらしい大きなウチワサボテンが生えた坂道を上っていくと、丘の上に巨大な工場でもあるような金属製の屋根が見えます。この下にあるのがカカシュトラ遺跡です。

巨大な屋根がかけられた遺跡
カカシュトラが栄えたのは、メキシコ中央高原の巨大都市テオティワカンが滅んだ後のことで、西暦700年から900年のことだそうです。住んでいたのは、ユカタン半島西部のシカランゴを出自とするオルメカ人の末裔でオルメカ・シカランカと呼ばれる人たちとされています。
屋根に覆われた遺跡はカカシュトラの「大基壇」と呼ばれる神殿跡で、巨大な台形の基盤の上に様々な建物を載せた形となっています。遺跡の上に設けられた見学通路を歩くと、石を積んだ後に泥で固めて建物を構成しているのがわかります。その規模は大きく、見応えがあります。ただ、この遺跡の見所は巨大な神殿ではなく、そこに残る壁画です。

大基壇の上部
通路を歩くと、まず「赤い神殿」と呼ばれる建物に残された、赤を基調とする壁画があります。描かれているのは神話の場面で、カカシュトラの経済基盤である農業と商業が表現されています。人物は年老いた商業の神で、マヤの神に似ているということです。

赤色が印象的な壁画
次は、この遺跡のハイライトである「戦闘の壁画」です。神殿基盤部の壁に描かれた青を基調とした壁画は、約22mにわたってジャガー戦士と鷲戦士の戦いの様子を描いています。かなりリアルな表現で、負けた戦士の内臓が飛び出している絵もあります。壁画保護のガラス越しでもあり、色が薄れて何が描かれているか分からない部分も多いのですが、これだけ迫力のある壁画はなかなか無いです。

神殿の基盤部に描かれた青い壁画

ジャガー戦士と鷲戦士の戦いの様子が描かれている。
最後は、建物Aと呼ばれる神殿の入り口を飾る戦士の壁画です。これは色も絵もハッキリ残っていて、鷲の格好をして羽毛の蛇に乗る戦士と、ジャガーの格好をしてまだら模様の奇妙な動物に乗った戦士が向かい合っています。

神殿の入り口を飾る戦士の壁画

鷲の格好をして羽毛の蛇に乗る戦士
古代文明が残した壁画は数多くあり、マヤ文明でもボナンパク遺跡に有名な彩色壁画が残されています。しかし、ここまで規模が大きく、また、ハッキリと残っている壁画は少ないと思います。ここまで来るのに、少し苦労しましたが、やはり来てよかったと思います。

遺跡から見た周辺の景色。山の上に位置するため、周囲がよく見える。
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カカシュトラ