アホと言われたストーン監督の映画「サウス・オブ・ボーダー」

 2010-05-06
 5月18日と19日、スペインのマドリッドにおいて「Cumbre Unión Europea-América Latina y Caribe(欧州連合・ラテンアメリカ・カリブサミット)」が開かれ、この地域の政治指導者たちが集合します。これに合わせて、オリバー・ストーン監督が制作した「サウス・オブ・ボーダー」という映画の上映会が行われ、ストーン監督はボリビアのウゴ・モラレス大統領、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長、エクアドルのラファエル・コレア大統領、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領などを招待するということです。

 
サウス・オブ・ボーダー

 この「サウス・オブ・ボーダー」という映画は、ベネズエラやボリビアなどのラテンアメリカの左派政権のリーダーたちの活躍を描いたものということですが、特に、ベネズエラのチャベス大統領を追ったドキュメンタリーとなっているようです。

 実は、この作品は昨年のベネチア国際映画祭で上映され、チャベス大統領も会場を訪れています。ただし、この作品については厳しい見方をする人が多く、この時期のニューズウイークには「アホの双璧、チャベスとストーン」という記事が出ています。

 それによると、「サウス・オブ・ボーダー」は「歴史的事件に題材を取ったフィクションの大家、ストーンらしい作品だ。ストーンの特徴は、作り話と事実を区別する能力がないこと」と指摘しながら、最後に「ストーンの場合は歴史的事実をもてあそんできた。彼は事実をきちんと掘り下げて考えない」と非難しています。

 こうした非難が出てくる背景には、ベネズエラ国内における人権侵害の状況があります。2009年のアムネスティ・インターナショナルの報告ではベネズエラ国内ではジャーナリストへの攻撃や人権擁護活動家への嫌がらせが起きていることへの懸念が表明されています。同じように、ボリビアについてもヒューマン・ライツ・ウォッチが人権問題を指摘し、モラレス大統領がこの組織を「帝国主義の擁護者」と批判する問題が起きています。

 近年のラテンアメリカにおける左派政権の台頭はこれまでの米国の傲慢な対外政策が招いたもので、起こるべくして起きたといえますが、そこに人権問題への批判が出てくるのは残念です。ストーン監督も歳をとったせいか作品が甘くなってきたのでしょうか。映画を見ていないからなんとも言えませんが、ニューズウイークの批判が当たっているなら残念です。

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