メキシコ壁画の巨匠オロスコの代表作、修復終了

 2010-10-04
 メキシコを代表する壁画の巨匠、ホセ・クレメンテ・オロスコの代表作である「El hombre de fuego(火の男)」の修復が行われ、その作業が9月末に終了したそうです。

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オロスコの壁画修復を伝える記事

 メキシコの近代芸術を象徴するのが公共施設などに描かれる巨大な壁画です。壁画は絵画芸術の原点でありながら、近代絵画においては注目されることがほとんどありません。このため、世界的に見ても優れた壁画芸術を見ることはまれなのですが、唯一の例外がメキシコなのです。

 メキシコでは1910年に起きたメキシコ革命の後、20年から壁画運動が起きました。それには、革命の精神や意義を民衆に知らせるのに効果的な手段だったという理由があります。壁画運動の指導者の一人であるシケイロスは、芸術を金持ちがサロンに飾って楽しむようなものにしてはいけないという趣旨のことを言っていますが、メキシコでは絵画芸術を社会改革のためのプロパガンダから民衆の意識改革を目指した芸術表現へと昇華させていったのです。

 この壁画運動を主導したのが三大巨匠と呼ばれる、オロスコ、リベラ、シケイロスの三人の画家です。この三人はそれぞれ際立った個性を持っています。例えば、岡本太郎と親交のあったシケイロスは、強烈なスターリニストであり、スターリンに追われてメキシコに亡命したトロツキーを殺すためにマシンガンと爆弾を持って彼の隠れ家を襲撃しました。その激しい性格は壁画にも現れ、凄まじい迫力を感じさせます。どこか岡本太郎に通じる部分があるようです。

 オロスコはこの三人の中では国際的な知名度が少し低いようですが、画の迫力ではシケイロスを凌駕しています。メキシコの壁画好きの意見を聞くと「壁画はオロスコにつきる」という人が多いのです。はっきり言って、最初に見たときは「この絵のどこがいいのか」と思ったのですが、他の画家の壁画や絵画をさんざん見たあとで、改めてオロスコを見たとき、その絵の凄さが理解できた気がしました。ですから、オロスコの壁画修復のニュースをネットで見て、胸が騒いだのです。

 そのオロスコの代表作が、世界遺産にもなっているグアダラハラのカバーニャス孤児院の天井に描かれている「El hombre de fuego」なのです。また、グアダラハラの市庁舎の階段に描かれている、もうひとつの代表作「Hidalgo(イダルゴ)」という作品も素晴らしいのですが、こちらは、これから修復作業に入るということです。

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