ペルー大統領、マチュピチュ遺跡の出土品返還を要求

 2010-11-09
11月5日、ペルーの首都リマで、米国のエール大学がマチュピチュ遺跡から持ち去ったインカ文明の遺物の返還を求めるデモ行進があり、数千人の市民が参加しました。

 この遺物は、マチュピチュを発見したエール大学の考古学教授ハイラム・ビンガム氏の指導の下に行われた発掘調査により収集されたもので、金の装飾品や土器など4万6000点に上るそうです。ただし、ほとんどは土器や骨などの破片で、このうち展示が可能な遺物は369個のみとされています。

 この問題では、ペルー政府が以前からエール大学に遺物の返還を求めており、米国で裁判まで起こしていますがなかなか解決しませんでした。今回、こうした行動がペルー国内で起きた背景には、来年、マチュピチュ発見百周年を迎えることがあります。ペルー政府は記念行事を予定しており、どうしても来年までに遺物の返還を実現させたいのです。

 そこで、ペルーのガルシア大統領は11月2日に米国のオバマ大統領にあてて、「エール大が考古遺物を返還するには、オバマ大統領、あなたの仲介が必要だ」と書いた手紙を送ったのです。これは、そもそもビンガム氏がペルー探検を行う際に、当時の米国大統領がペルー大統領にあてて「ビンガム氏の探検に協力してほしい」という手紙を出したということがあったからだそうです。

 途上国には資金不足で発掘調査ができない遺跡がたくさんあり、これを先進国の調査団が行うというのは昔も今もよくあることです。日本もインカやマヤの重要な遺跡の発掘をいくつも手がけています。昔は、欧米の調査団が勝手に遺物を持ち帰ることがよくありましたが、今では、そんなことはできなくなっています。また、日本の発掘調査の例では、単に遺跡の調査を行うだけでなく、現地に博物館を建てて出土品を展示することで、現地の住民の意識向上や観光振興にも役立てるというところまでやるようになっているのです。

 いかに昔の話だとはいえ、持ち出した遺物はペルー国民の財産ですから、一刻も早く返還してほしいと思います。



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