変わり行くキューバ、本日「ゆらり散歩世界の街角」で放映
2011-04-26
先日、キューバの首都ハバナで開催された第6回共産党大会で、フィデル・カストロ前国家評議会議長(84歳)が、共産党トップの座である第1書記のポストを正式に退き、ラウル・カストロ国家評議会議長(79歳)がこのポストに昇格したことが発表されました。また、経済改革の一環として部分的に市場原理を導入することも決まりました。
ハバナの中心街には歴史的な建物が数多く残る
世界に一つの理想的な社会のモデルを示してきたフィデルの時代が確実に終わりを告げたということでしょう。キューバの社会主義の是非については様々な論議がありました。私が留学していたメキシコ国立自治大学の公開講座で、キューバ支持の教師とそれに疑問を持つ学生の議論を興味深く聞いた思い出があります。
貧富の格差が大きいラテンアメリカ諸国と比べると、キューバはそれなりに平等な社会を実現し、医療や教育などの分野で国民に大きな恩恵をもたらしたのは確かです。しかし、私が実際にキューバで見た現実はそれほど単純にキューバの政権を支持できるようなものではありませんでした。国内で膨れ上がる社会的、経済的問題がいかに深刻なものであるか、何人ものキューバ人と話をしてみてわかったのです。
今回の大会で、ラウル・カストロ国家評議会議長は「国にまん延する無気力を今こそ打破しなければならない」と述べたということですが、そうなってしまう社会の在り方に大きな問題があるといういことです。ただ、改革は以前から少しずつ進められており、フィデルも昔のような教条主義に固執しなくなっていたようです。もちろん、改革には必ずマイナス面も出てきますから、これからのキューバがどうなっていくのか注目したいと思います。
ところで、そんなキューバの首都ハバナの街を巡る「ゆらり散歩世界の街角・ハバナ~ヘミングウェイが愛した街」という番組が、今日の夜7時からBS-TBSで放送されます。私はラテンアメリカ各国の様々な街を歩きましたが、ハバナはその中でも1、2を争う素晴らしい街でした。あの素晴らしい街並みを見るのが楽しみです。
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