ガルシア・マルケス全集と作家に関する思い出

 2009-05-11
 友人からガルシア・マルケス全集12巻が送られてきて驚きました。
 ガルシア・マルケスは言うまでもなく、コロンビア出身のノーベル文学賞作家です。
 文学好きの私は、この12巻に収録された数多い小説(マルケスのほぼ全著作と思う)のうち、半分くらいは読んでいると思いますが、読んでいないものが多いので非常によろこんでいます。

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 マルケスは世界的なラテンアメリカ文学ブームの火付け役になった人ですから日本でも文学好きの間ではかなり有名で、こんな文学全集がでてしまうわけです。すごいですね。

 私は、十数年前、メキシコにいたときにマルケスが出席した集会に参加したことがあります。
 それは、アルゼンチンの作家フリオ・コルタサルの没後10年を記念して、彼の友人であるマルケスやメキシコを代表する作家であるカルロス・フェンテスなどが集まって故人をしのぶといった感じの集会でした。

 主催者は当初そんなに人は集まらないだろうと思っていたようで、国立芸術劇場の小さな集会室を用意していました。ところが、ものすごい数の人がきてしまったようで、急遽、数千人が入るオペラ用の大ホールに会場を変えて会を開催したのです。私たちは、人が一杯で平土間席に入れず、バルコニーから現代ラテンアメリカ文学界の巨人2人が話すのを聞きました。

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会が開かれた国立芸術劇場


マルケスがその時話した内容は、コルタサルとフェンテスと一緒にヨーロッパを列車で旅行したときのエピソードだったと記憶しています。話の内容は半分くらいしか理解できませんでしたし、今では詳細も忘れてしまいました。しかし、少し離れていはいましたが、そこに憧れの二大作家がいて、話をしているということに興奮したものです。

 ちなみに、その時の私は、UNAM(メキシコ国立自治大学)の外国人コースで文学の講座を受講しており、その研究テーマがカルロス・フェンテスの「エル・ナランホ」という作品だったのです。

 会が終わると、劇場のホールで小パーティが開かれました、二人の作家は参加しませんでしたが、メキシコ文学界に関係する人々がワインを飲みながら談笑していました。これにはだれでも参加できるのですが、かなりステータスが高い社交場となっていて、男性も女性もきちんとした身なりをしていました。留学生である私はジャンパーを羽織ったひどい身なりをしていましたので、かなり肩身が狭かったのですが、あまり気にしないことにして、用意されたワインをかなり飲みました。

 その時思ったのは、もしこれが日本なら、外国の作家の没後10年の記念の会をこんなに盛大に開くだろうかということです。たぶん、自国の有名作家でも、せいぜい、こじんまりした「しのぶ会」を開くくらいではないでしょうか。もちろん、日本でも大江健三郎や村上春樹クラスが出席する会なら大勢の人が集まると思いますが、それを、だれでも無料で参加できるというオープンな形で行うことは考えられません。日本では、何事にも採算が大事ですから。

 また、この会で思ったのは、ラテンアメリカでは、作家間の連帯がかなり強く、お互いに刺激しあって作品を生み出す土壌を創り上げているということです。フリオ・コルタサル、カルロス・フェンテス、ガルシア・マルケスという3カ国を代表する文学者の交流はその一端を示していると思います。
 もちろん、それはスペイン語という共通の言語があるからこそできることかもしれません。しかし、言葉の壁はそれほど大きな問題ではなく、日本はアジアの中で孤立しがちだということや、商業主義から逃れられないといった、もっと大きな問題を抱えているのだと思います。


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コメント
マルケスとカルロス・フェンテス、お二人を間近に見れるなんて、羨ましい!パーティも楽しそう!

ブログ読んでたら、むしょうにガルシアマルケルが読みたくなって、今日図書館に行ってきました。やっぱりマルケスおもしろいですねー。

南米、文学熱あっていいですねー。職場で南米の小説を読むと「変なタイトルの本ばっか読むねー」と言われ切ない想いをするので、それも羨ましいです(笑)


【2009/05/17 03:03】 | まと #- | [edit]
 まとさんはガルシア・マルケスの熱狂的ファンのようですね。
 日本ではラテンアメリカ文学を知っている人さえ少ないですから仕方ないですね。
 その面白さと奥深さは読んでいる人にだけわかるわけですから、人の言葉は気にせずどんどん読んでください。また、マルケスだけでなく、フェンテス、コルタサル、カルペンティエール、アストゥーリアス、プイグなども、もし、まだ読んでいなければ、読んでいただきたいですね。
【2009/05/19 10:21】 | ヴィクーニャ #- | [edit]












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