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ジャガイモの多様性に驚く「インカの食卓」

 2011-10-07
 アンデスを長年撮影し続けている写真家・高野潤さんの新刊書「インカの食卓」を読みました。

インカの食卓


 この本は、高野さんが、ペルーやボリビアの先住民の村々に入り込んで活動を続けていた際に、現地で出会った様々な食材とそれを使った料理を紹介したものです。

 私たちのような旅行者は、現地に行っても、地元の農民が食べるような料理を口にする機会はあまりありません。それだけに、その国のことや古代文明についてはある程度知っていても、料理となると全く未知の分野ですから、その内容には新鮮な驚きが詰まっていました。

 特に圧巻なのが、ジャガイモの紹介です。ジャガイモはアンデスが原産で、スペイン人の手によって旧世界に伝えられました。このすぐれた食材は、その後、急速に世界中に広まり、いまや私たちの生活にはなくてはならないものになっているわけです。

 しかし、私たちが口にしているジャガイモは、いわゆるメホラーダ(改良種)というもので、アンデス地方にはパパ・ナティーバ(古典系種)という種類のじゃがいもが1000種以上もあるというのです。

 高野さんは、この古典系種を求めてアンデス各地を巡り歩き、ようやく200種類ほど集めたということですが、その形や色の多様性には驚かされます。本書にはカラー写真でこの古典系種が紹介されていますので、理解しやすいと思います。

 私も、ペルーのアンデス山中を旅行した時、地元の先住民の家に寄って、近くの湖で捕れたというトルーチャ(マス)を食べさせてもらったことがあります。これが本当においしくて、その後やみつきになりました。マチュピチュのふもとの村の小さな食堂でもマスをつまみにビールを飲んだことがあります。

 アンデスの食文化の多様性を知るだけでなく、そんな個人的な楽しい記憶も呼び覚ましてくれる好著だと思います。


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コメント
食事を中心に書かれたインカの本は今までなかったと思います。
とても興味深く拝読いたしました
【2011/10/07 22:55】 | 茶好き #- | [edit]

茶好きさん、コメントありがとうございます。

食事は人間の生活に欠かせないものですが、各地の名物料理を紹介する本はあっても、こういう日常生活の料理や食材を紹介する本はなかなかないですね。
【2011/10/08 10:09】 | ヴィクーニャ #- | [edit]












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