メキシコの政権に妖怪PRIが返り咲く

 2012-07-03
  7月1日に開票されたメキシコの大統領選挙の結果、事前の予想通り、PRI(制度的革命党)のエンリケ・ペニャ・ニエト候補(45)が当選しました。投票率は、ニエト候補が38~39%を獲得。2位はPRD(民主革命党)のアンドラーデ・マヌエル・ロペス・オブラドール候補(58)で31~32%、与党PAN(国民行動党)のホセフィーナ・バスケス・モタ候補(51)は25~26%と惨敗でした。

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 2位のオブラドール候補は、現在のところ敗北を認めず、不正があったことが確認されれば異議を申し立てる意向だということですが、これは、いつものことですから問題ないでしょう。メキシコの選挙に不正はつきものです。過去の大統領選でも様々な問題が指摘されていますが、結局、うやむやで終わっているのです。

 ところで、今回の選挙で野党のPRIが12年ぶりに政権の座に返り咲いたわけです。この前も書きましたがPRIは長年メキシコの政治を牛耳ってきた、日本でいえば自民党のような存在です(党には右から左まで幅広い考え方の人がいて政策面では民主党的です)。新自由主義を標榜して政権を奪取したPANの政策が行き詰ったことから、妖怪のような存在のPRIが再登場となったわけですが、これでメキシコの社会や経済がうまくいくとはとても思えません。

 メキシコでは麻薬と経済が2大問題になっています。麻薬問題では、PANが、麻薬組織と全面対決の姿勢を示したことで国内の治安は乱れ、多くの人が命を落とす結果となりました。しかし、もとはと言えば、70年以上も政権を独占し、思うがままにふるまったPRIが、麻薬組織と癒着したことが現在の混迷を生んでいるのです。彼らにこの問題を解決する能力があると考えるのは、よほど楽天的な人だけです。再び、麻薬組織と癒着し、その存在を暗黙の裡に認めるようなことにならないことを願うばかりです。

 経済問題では、PANとPRIの姿勢はほとんど変わりないと思います。そもそも、左派のPRDが反対したNAFTA(北米自由貿易協定)を推進し、国内の先住民組織や左派グループとの対立を先鋭化させたのはPRIでした。その延長線上にあるTPP(環太平洋経済協定)について、PANは米国との交渉参加を決めましたが、PRIもこの路線を継承することになるでしょう。

 相変わらずの米国頼りなら、残念ながら、世界経済悪化の影響をもろにかぶったメキシコ経済が好転する見込みは薄いでしょう。

 そんな中、PRIに問われるのは、PAN時代に、以前にもまして大きくなった国内の経済格差をどう是正していくかです。PRIは党名に“革命”という言葉を使っているのですから、その精神を発揮してほしいものです。
 

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