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世界遺産委員会で登録される新遺産は?

 2013-06-06
 今年も、新たな世界遺産が決定する世界遺産委員会の時期になりました。

 今年は第37回世界遺産委員会ということで、6月16日から27日の間、カンボジアのプノンペンで開催されます。

 今回、日本で注目されているのは富士山の世界文化遺産登録ですが、古都鎌倉も候補に入っています。富士山は世界遺産登録の審査などを行う機関であるICOMOS(国際記念物遺跡会議)が登録を勧告しているため、登録は確実視されていますが、鎌倉はICOMOSが不登録を勧告しています。

 一方、ラテンアメリカ地区は今回は不作です。候補に入っているのがメキシコの「El Pinacate and Gran Desierto de Altar Biosphere Reserve」のみです。スペイン語と英語が混じったおかしな名称ですが、エル・ピナカテとアルタール大砂漠生物保護区ということになります。

 米国と国境を接するメキシコの北部に、アルタール大砂漠というのがあり、その東端に位置するのがエル・ピナカテです。この辺は、米国とメキシコにまたがるソノラ砂漠という広大な荒野が有名ですが、その一部でもあります。

バハ
メキシコ北部のイメージ(これはバハ・カリフォルニア)


 この辺はバスで通ったことがあるだけでよく知りませんが、エル・ピナカテはカリフォルニア湾に接していることから生物の多様性に富んでいるらしく、ナショナルジオグラフィックなどでも取り上げているようです。

 これについてはICOMOSが登録を勧告していますので、登録はされるでしょう。

 さらに、来年の第38回世界遺産委員会の登録候補案件について見ると、ラテンアメリカはやはり少なく、以下の3件のみとなっています。

1.Qhapaq Nan, Andean Road System(アルゼンチン、ボリビア、ペルー他)
2.Precolumbian chiefdom settlements with stone spheres of the Diquis(コスタリカ)
3.Ancient Maya City and Protected Tropical Forests of Calakmul, Campeche(メキシコ)

 1.の案件はカパック・ニャンと呼ばれるインカ帝国が南米に築いた長大な道、いわゆる「インカ道」です。数年前から南米の6か国が協力して世界遺産登録を目指してきましたが、ようやく候補となったのです。

 2.は、コスタリカの古代文明と有名な球体の石です。古代文明の遺物でもピラミッドなどと比べて球体の石は地味なのですが、謎の文明として注目されていました。

 3.はカラクムル遺跡と周辺の熱帯雨林です。カラクムル遺跡はすでに世界遺産登録されていますが、さらに範囲を拡大して再登録するということでしょう。

 この中で、注目はカパック・ニャンですね。6カ国にまたがるという規模の大きさのみならず、古代文明の遺構としても他に例がないほど壮大なものです。今も残るカパック・ニャンを歩く人たちは多いのですが、年々劣化が進んでいるようで、世界遺産登録によって保護が進めばいいと思います。

inca_20130322115908.jpg
インカ道について詳しく紹介している書籍



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