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メキシコで最大のピラミッド チョルーラ

 2014-03-15
 今回は、プエブラ周辺の最大の見所であるチョルーラのピラミッに行きます。

 あまり知られていないのですが、トラチウアルテペトル神殿と呼ばれるこのピラミッドは、底辺が400mを超えており、世界最大と言われるエジプトのクフ王のピラミッドの倍近い大きさになるのです。ただし、高さがクフ王は146mあるのに対し、こちらは60mちょっとしかありません(破壊される前は80mくらいあったということです)。それでも、テオティワカンの太陽のピラミッドと高さがほぼ同じですから、メキシコでは最大のピラミッドになります。ちなみに、隣国グアテマラには高さ72m、底辺620×314mもあるピラミッド、ラ・ダンタがあります。

 街の中心近くにあるチョルーラ行の乗り場から出発したバスは、途中、お客を乗せるために何度も止まりながら、ゆっくりと走ります。20分ほどでチョルーラの街に入ると間もなく、山の上にキリスト教の教会が建っているのが見えます。この山がピラミッドなのです。

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住宅地の先の小山がピラミッド

 バスは遺跡行きではないので、運転手にピラミッドに近いところで降ろしてもらいました。10分ほど住宅街の中を歩くと、小山のようなピラミッドに到着です。ここには頂上の教会に登る道と、遺跡見学のための入り口があります。頂上に登るのは無料ですが、遺跡見学は52ペソ(400円くらい)の入場料が必要です。

 遺跡見学の入り口を入ると、人がなんとかすれ違いできるくらいの狭いトンネルが続いています。その中には電灯がともり、ところどころに説明板も置いてありますが、息苦しい感じがして、ひたすら歩くのみです。ピラミッドの内部を見ると、古いピラミッドの上に新しいピラミッドを重ねて作ることで大きくしていったことが分かるようなのですが、狭くて薄暗いトンネルの中にいると、そんなことはどうでもよくなってきます。

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 ピラミッド内部の見学通路。

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ピラミッドの構造模型。外側のピラミッド中に古い時代のピラミッドが埋もれているのが分かる。


 ピラミッドの外に出て南側に回ると、神殿の基台部分が修復されているのを見ることができます。ここにはこれまで2度来ています。最初にここに来た30年前はこうした修復はほとんど行われていませんでしたが、20年前に来た時には、正面の大階段とその周辺まで修復が進んでいました。現在は、さらに周囲の発掘調査が進んでいるのがわかりますが、その進み方は、20年たっても大きな変化がないほど非常にゆっくりしたものです。

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ピラミッド南側の発掘調査と修復をしている部分。


 ピラミッドの西側に回ると、神殿の基台部分が妙に綺麗に修復されています。南側の基台部分と比べると作り物感が強すぎて違和感があります。ただ、分かりやすい形と上に登れることから観光客には人気で、大勢の人たちが写真撮影に熱中していました。

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ピラミッドの西側の神殿の基台部分。妙に新しい。


 次に、ピラミッドの上に登ってみました。60mちょっとある頂上まで、なだらかな坂道が設けられていて、途中には物売りがいくつもの屋台を出しています。この日ほ日曜日とあって、観光客と教会に参拝する地元の人たちが大勢歩いており、大賑わいです。

 頂上にあるロス・レメディオス教会は小さいですが、30年前と同じように外観も内部の主祭壇も美しく、地元の人たちの信仰を集めている様子が分かります。実は、アステカ帝国の衛星都市だったチョルーラを征服したスペイン人たちは、異教の神殿を破壊した後に50のキリスト教会を建設したそうです。


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ピラミッドの頂上にあるロス・レメディオス教会


 ピラミッド頂上の教会と共に、それほど大きくない街に50もの教会があるのですから、異教の神は完全に封じ込められたということでしょう。ピラミッドの上に登ると、街中は言うに及ばず、人家もまばらな田園風景の中にもあちこちにキリスト教会の塔が見えるのです。これだけの数の教会を住民の力だけで維持できるのか疑問になるくらいです。

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ピラミッドから見たチョルーラの街。小さな町だが教会が多い。

 ピラミッド頂上からは周囲の景色が良く見えます。同じ高さのテオティワカンの太陽のピラミッドは、360度同じような荒野しか見えないので、あまり面白くないのですが、ここは違います。近くにチョルーラの街があり、緑豊かな田園があり、遠くにはプエブラの都市があり、さらにメキシコで最も有名なポポカテペトルとイスタシワトルの二つの山が聳えているのも見えます。これだけ美しい風景が見れるピラミッドはあまりないと思います。

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眠っている女性の横顔の形をしているとされるイスタシワトル山。


 遺跡とピラミッドの上からの景色を満喫した後、帰ることにしました。バスが通っている道路まで歩こうと思った時、ピラミッドの横の道路をバスが走っているのが見えました。フロントに「セントロ・プエブラ」と書いてあったので、プエブラの中心部まで行くと思って飛び乗ったのですが、これが間違いでした。

 確かに、バスはプエブラに行くのですが、チョルーラの市内をあちこち回った挙句、とんでもない遠回りをしてプエブラのバスターミナルCAPUに着いたのです。そこから、バスを乗り換えて中心部まで行くことになり、普通なら20分で行くところ、約2時間もかかりました。

 バスに乗る時は、運転手によく聞かなければだめですね。



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