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壁画の巨匠、シケイロスを見に行く!!

 2014-04-06
 メキシコシティの見所はいろいろあるのですが、絵画が好きな人には市内各所にある壁画巡りがお勧めです。

 メキシコの絵画芸術を代表する壁画の制作は、メキシコ革命後の1920年ころから1940年代にかけて起きた芸術運動によって進められました。その中心となったのが、ディエゴ・リベラ、ダビド・アルファロ・シケイロス、ホセ・クレメンテ・オロスコの三人で、これを壁画の三大巨匠と呼んでいます。

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三大巨匠の壁画が並んでいる芸術宮殿。


 ディエゴ・リベラの代表作は、ソカロ広場に面した国立宮殿内で見ることができます。ホセ・クレメンテ・オロスコの代表作は、グアダラハラにあるので、シティからは遠いですね。ダビッド・アルファロ・シケイロス(以下シケイロス)については、シティの様々な場所に作品があります。

 三人の評価はいろいろですが、今回は、個人的に思い入れが強いシケイロスの作品を見に行きたいと思います。

 三大巨匠の中で最も激しく、攻撃的な性格だったのがシケイロスです。その性格と同じく、作品も、激しく、攻撃的で、刺激に満ちています。他の壁画家が伝統的なフレスコ画による作品制作を主としたのに対し、シケイロスは様々な手法や最新技術などを取り入れ、絵を立体的にしたり、視覚的に観客を巻き込むなど、工夫を凝らしています。

 私が個人的に好きな絵は、アラメダ公園横にあるベジャス・アルテス(芸術宮殿)の上の階の回廊に描かれた「ニュー・デモクラシー」です。高校生のころにこの絵を見た私は、衝撃を受け、シケイロスの画集を衝動買いしました。この建物には、三大巨匠の重要な壁画作品が並んでいますので、絵画ファンには必見の場所です。ただし、入るのは入場料が必要です。

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芸術宮殿内の回廊にあるシケイロスの「ニュー・デモクラシー」。


 シケイロスの代表作とされているのは、チャプルテペック公園の中にある城の一角にある部屋を使って描かれた「ポルフィリオ独裁から革命へ」です。ここに壁画を描くように依頼されたシケイロスは、「こんな場所にどういう絵を描いたらいいのか」と悩んだそうです。普通、壁画は広い平面の壁に描くものですが、ここは、決して広くない、いびつな二つの部屋からなっているのです。

 悩んだ末に思いついたのは、初めの部屋にメキシコ革命が起きるまでの事件などを描き、次の部屋では、革命そのものを描くことでした。特に、次の部屋の構図は、一方に蜂起した革命軍が押し寄せる様子、もう一方に独裁者ポルフィリオ・ディアスの退廃を描きました。これにより、部屋に入った観客は、独裁者を見ればこれを打倒する革命軍の先頭に立つ位置になり、逆を見れば押し寄せる革命軍に迫られる位置になります。つまり、部屋に入った観客は絵と一体化して、革命の場に立ち会う臨場感を得ることができるのです。この、マイナスをプラスに変える独創的なアイデアがシケイロスの代表作と呼ばれる所以です。

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シケイロスの代表作「ポルフィリオ独裁から革命へ」

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独裁者ポルフィリオ・ディアスを描いた壁


 個人的にはどうでもいい作品ですが、最も多くの人が目にするのは国立自治大学の本部棟に描かれた「民衆から大学へ、大学から民衆へ」でしょうね。これは、シケイロスが得意とする立体的な造形の作品で、彼自身「彫刻絵画」と呼んでいたそうです。とはいえ、この作品に、特に感ずるものはありません。

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国立自治大学の本部棟に描かれた「民衆から大学へ、大学から民衆へ」


 実は、シケイロスと私が大好きな画家の岡本太郎さんには深い関係があります。1968年に開催されたメキシコオリンピックの前、メキシコのホテル王から作品の制作を依頼された岡本さんは、現在、渋谷駅に展示されている壁画「明日への神話」の制作を進めました。この時、同じように前代未聞の巨大壁画を制作していたのがシケイロスだったのです。

 ポリフォルムという体育館のような建物の中に据え付けられた巨大壁画は、シケイロス最大のプロジェクトで「地球における人類が目指す宇宙への行進」と題されています。複雑なメッセージを込めたという壁画は何がなんだかよく分からない。これも部分的に立体的な彫刻絵画になっているのですが、どう評価していいやら困ります。

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シケイロス文化ポリフォルムの建物。後ろに見えるのが旧オテル・デ・メヒコ(現在はワールド・トレード・センター)。

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ポリフォルム内部の壁画。


 こうした壁画は、どれもある場所が分かっていますので見に行くのは簡単なのですが、以前から、私が気になっていた壁画「Retrato de la burguesía(ブルジョワジーの肖像)」は、Sindicato Mexicano de Electricistas(メキシコ電気技術者連盟)にあるものの、その建物がどこにあるのか定かではありませんでした。そこで、ネットを使って場所を探してみると、意外にもアラメダ公園から徒歩で15分ほどの所にあることがわかりました。

 「早速、行ってみよう」ということで、日曜日の午後、宿から歩いて10分ほどの連盟ビルに出かけました。インスルヘンテス大通りから革命記念塔に抜ける道にあるというのですが、その辺りにはビルが多く、よく分かりません。そこで、道にいた人に聞くと、「SMEはここだ」とボロボロのビルを指差します。思ったより小さなビルでもあり、この中にシケイロスの壁画があるとは思えません。そこで、近くの駐車場にいた係員に聞くと、「壁画は知らんが、今日は日曜日だから中に入れない。平日に来い」と言われました。

 「本当に、こんなボロビルに壁画があるのか?」と疑問に思いながら、翌月曜日にまたこのビルを訪ねました。汚いビルの玄関ホールにいた物売りに「ここにシケイロスの壁画はある?」と聞くと、「二階の階段の所だ」と教えてくれました。

 そこへ行くと、ありました。階段の上の壁に見慣れた壁画が描かれています。広い壁に描かれた迫力ある作品を思い描いていた私は、その狭くて暗いスペースにちょっと拍子抜けしました。しかし、壁画自体は素晴らしいものです。長い間会いたかった人にようやく出会えたような気持ちで、何枚も写真を撮り、作品を眺めていました。

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SMEビルの内部にある壁画「ブルジョワジーの肖像」。独裁者がオウムになっている。

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ジッと見ていると凄い迫力を感じる。



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