マヤの伝統が生きる町 チチカステナンゴ!

 2015-04-06
 パナハッチェルからローカルバスを2回乗り継ぎ、チチカステナンゴにやって来ました。
 グアテマラ西部、標高2000m弱の山岳地帯に位置する小さな町ですが、スペイン風の古い街並みと古代から続くマヤの伝統文化が息づく神秘的な雰囲気が特徴となっています。

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チチカステナンゴの古びた感じの街路

 
 20年前、この町に滞在した際に利用した町の中心部のホテルがまだ営業していたので、また行ってみました。当時、できたばかりの居心地のいいホテルでしたが、今やすっかり古くなり、バックパッカーに人気の安宿となっていました。宿代は1泊85Q(1300円くらい)ですが、他の町の同レベルの宿と比べると少し高いです。

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モーテルのような感じの安宿


 着いた日は土曜日で、街の中心にあるサント・トマス教会の周辺に出ている店の多くは地元の人相手の日用品を売っていました。これが日曜日になると、観光客相手の土産物や手工芸品を売る店に代わるのです。観光客と共に周辺の村や町から大勢の人たちが押し寄せてきますから、町の中心部は大混雑のお祭り騒ぎになります。このような市は、グアテマラ高地にある多くの村や町で曜日を変えて行われているのですが、チチカステナンゴほど華やかで賑やかな市はありません。

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市場はいつも大勢の買い物客でにぎわう。


 チチカステナンゴの見どころは、街のシンボルとなっているサント・トマス教会です。

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サント・トマス教会と市前日の様子

 もともとマヤのキチェ族が支配していたこの場所に、スペイン人はキリスト教布教の拠点としたサント・トマス教会を造りました。スペイン人はマヤ民族が信仰していた神を否定し、マヤ文字で書かれた古文書を焼き捨ててしまいますが、そんな中で古代マヤの神話をスペイン語に移し替えて保存していた人がいたのです。

 1700年代の初め、サント・トマス教会にいた一人の修道士が、偶然、この書物を発見しました。これが、マヤの神話「ポポル・ブフ(Popol Vuh)」です。これにより、書物だけでなく、発見場所であるサント・トマス教会も有名になったのです。また、グアテマラの高地ではキリスト教化の人手不足に対応するためコフラディアという信徒組織を利用したのですが、これがマヤの伝統文化を守り、キリスト教とマヤの神が混淆する土壌を生み出したようです。現在でも、コフラディアは活動をしており、伝統的な衣装で教会前に集まり、祈りをささげるなどの儀式を行っています。

 サント・トマス教会の中に入ると、一般的なカトリック教会内部とはかなり変わった、異教的な空間になっています。私には神秘的、多神教的で非常に興味深い雰囲気です。ただ、教会内では写真撮影が禁止されているので残念ながら映像はありません。

 先日行ったサンティアゴ・アティトランにはマシモンという神様がいましたが、ここにもパスク・アル・アバフという神様がいます。町外れの丘の上に行くと、黒い石の神様が置いてあり、願いごとをする人たちが、供え物をしたり、ろうそくを燃やしたり、時には鶏や七面鳥を生贄に捧げる儀式などをしています。

 ここには20年前に行ったので、今回はパスしました。聞くところによると、この丘に行く観光客を狙った強盗が時々出るらしく、行くのなら大人数が望ましいようです。私は一人で近くを散歩しましたが、汚い格好をした恐そうな男が私を見ていたので、早々に引き揚げました。君子危うきに近寄らずです。

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パスク・アル・アバフに祈りを捧げる絵。後ろには軍事政権による弾圧も描かれている。


 町を散歩していると、非常に美しい織物をガラスケースに入れて展示している店がありました。グアテマラでは、ウイピルという女性用のブラウスを美しい織物や刺繍を用いて作るのが普通で、店で販売しているのもこの織物が多いのです。しかし、この店で展示していたのは女性のスカートだったのです。女性の店員に尋ねると、絹糸で豪華な刺繍をしているためかなり高価だと言います。そして「絹糸が手に入らなくて困っているが、輸入できる会社を知らないか?」と聞かれたのです。

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華やかな色のスカートが並ぶ。これは高価な品ではない。


 絹糸の多くは中国から来るそうで、どうやら彼女は、私を中国人と思い、輸入できる会社を知っているかもしれないと考えたわけです。残念ながら私は日本人だし、お役には立てませんでした。しかし、その後、気を付けてみると、豪華なスカートを売る店が結構あるのです。手作りのブラウスを自慢した時代から、高価なスカートが自慢の時代になっているのであれば、マヤの人々も経済的に豊かになり、生活に余裕もでてきている証拠でしょう。

 よそ者の観光客がどう思おうと、マヤの人々は不幸な時代を乗り越え、確実に自分たちの幸福に近づいているのかもしれません。

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土曜の夜のサント・トマス教会前



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