カミナルフユ遺跡に行く!

 2015-04-23
 グアテマラシティにはカミナルフユという古代マヤ文明の重要な遺跡があります。

 私が、二十数年前にここに行ったときは、日本の「たばこと塩の博物館」が進める遺跡発掘プロジェクトが隣接地で進んでいたのですが、カミナルフユ自体は、緑が豊かなただの公園でしかありませんでした。

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カミナルフユは緑が多い公園という感じ。


 その後、カミナルフユの発掘調査が進められ、神殿などがあるアクロポリスの復元が少し進み始めました。しかし、その規模は小さく、大部分は公園として整備されているだけであるため、観光客が訪れることはあまりありません。一方で、この場所は古代マヤの伝統を守る人たちにとっては聖地であるため、毎日、多くのマヤの人々が祈祷のための訪れているのです。

 カミナルフユは、グアテマラシティの中心部から西に直線距離で3㎞ほどの所に位置します。バスでは行き方が分からないので、タクシーで向かいました。

 近い割には時間がかかり、15分ほどで遺跡公園の入口に到着。チケットを買って中に入ると、左手に小さな博物館がありました。ここには、発掘調査で掘り出された土器類が展示されています。博物館の前には、着飾ったマヤの人物を彫刻した石碑が置かれているのですが、これはイミテーションです。こうした石碑類は、グアテマラシティの国立考古学博物館に移されているのです。

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カミナルフユのマウントの上から見た景色。左にあるのがビジターセンター(博物館)。

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石碑の復元模型。


 なだらかな起伏を持つ広い公園内を博物館から北西に向かうと、発掘が行われているアクロポリスがあります。マウンドと呼ばれる、遺跡が土に覆われて小山のようになった場所を掘り下げ、神殿などの複合建築物を掘り出しているのです。

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屋根掛けされたアクロポリス。


 マヤの遺跡というと石造りの神殿を想像しますが、ここは、日干し煉瓦(アドベ)を積み重ねて作られた、土の神殿なのです。このため、雨や風に晒されて崩れないようにトタン屋根が掛けられており、その様子は、エルサルバドルのホヤ・デ・セレン遺跡に似ています。

 カミナルフユの特徴は、マヤの古代都市の中でも最も古いものの一つということです。ウィキペディア(スペイン語版)では紀元前1200年前後に定住がはじまり、西暦900年までの長い期間にわたって栄えた都市と紹介されています。マヤの古い都市には、テオティワカン文明の影響が見られることが多いのですが、ここも同じです。

 アクロポリスの神殿の壁面を見ると、テオティワカンの建築様式の特徴である、タルー・タブレロ(斜面と垂直面)が見て取れます。複数の建物が結合している形なので、どうなっているのかよく分かりませんが、神殿の階段とタルー・タブレロの組み合わせを見ると、テオティワカンのケッツアルコアトルの神殿に似ている感じがします。

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テオティワカンのタルー・タブレロ様式が階段横の壁面に見える。

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複雑な構造の建築物。マヤの持ち送り式アーチがある。


 現在のところ、発掘調査が行われているのは、このアクロポリスと公園入口の右手に位置するパランガーナ(Palangana)だけです。ただ、パランガーナの発掘場所は低いトタン屋根で覆われており、内部に入ることができません。その前には、石碑や石柱が並んでいますが、特に興味を惹かれるものはありません。

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低い屋根が掛けられたパランガーナの発掘場所。


 興味深いのは、あちらこちらで、マヤの人たちによる祈祷が行われていることです。公園内にはマヤの宗教儀式を行う場所が設けられており、シャーマンが火を焚いて祈祷を行っているのですが、それだけでなく、林の中や木陰など様々なところに数人のグループがいて祈祷を行っています。

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火が焚ける儀式の場にはシャーマンや願い事をする人が集まっている。

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真剣に祈る人の姿がいたるところで見られる。


 マヤの人たちが伝統的な精神世界を大事にしているのは、日本人が神社にお参りするのに似ています。ただ、シャーマンと共に懸命に祈っている家族の姿を見ると、日本人のような気楽なものではなく、もっと切実な問題があるのだろうと想像されます。このように、古代遺跡が人々の心の支えとなり、伝統文化を守る場として機能しているのは、素晴らしいことだと感じました。

 

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タグ : カミナルフユ
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