フランス国境の歴史都市オンダリビアへ行く! スペイン旅行記⑲
2019-06-23
オンダリビアの旧市街
フランス国境の城塞都市へ!
宿泊先のホテルの女性経営者が「絶対に行った方がいい!」と勧めてきたのが、フランス国境に位置する歴史都市オンダリビアでした。そこで、冷たい雨が降る朝、出かけてみました。
オンダリビア行きのバスはカテドラルの近くにあるギプスコア広場から出ています。観光には向いていない日でしたが、路線バスは観光客を中心にほぼ満員でした。
サン・セバスチャン空港を経由して約40分でオンダリビア中心部のバス停に到着。雨の中を港があるマリーナ地区に向かいました。
ビスケー湾の入り江に面した港には人気がほとんどなく、黒い雲が垂れ込めた寒々とした風景が広がっています。対岸にはフランスの町アンダイエが広がっており、数人の客を乗せた連絡船が海上を走っていました。少し前のテレビ番組で女優の石原さとみが乗ったボートです。
景色はきれいですし、晴れていればフランスまで行くこともできますが、雨では長居をする気にはなりません。早々に城壁の中にある旧市街に向かいました。
港から入り江を望む。向かいはフランス。
オンダリビアのマリーナ地区。フランス行きのボートがある。
雰囲気のいい城と家々
海岸側の道路から坂を上って城壁内に入ると、周囲に古い家が立ち並ぶアルマ広場があり、現在はパラドールになっているカルロス5世城もあります。
オンダリビアは古くから周辺国にとって戦略上、重要な位置にあったため、この城塞は何度も包囲軍との戦いを経験したそうです。城としては小さく、カルドナ城のように難攻不落という感じはしませんが、苦闘の時代を経た重厚な石造りの館をよく残していて、雰囲気がいいです。
このアルマ広場を中心に城壁内の狭い範囲に独特のデザインの古い町並みが集中しています。石畳に街路を歩くと、フォトジェニックな場所がたくさんあって楽しいです。昼近くになって雨も上がり、古い時代にタイムスリップしたかのような街歩きを存分に楽しめました。
旧市街は城壁の中にある。
アルマ広場と周囲の家々。左側にカルロス5世城がある。
パラドールの中のカフェ。誰でも利用できる。
独特のデザインの家が並ぶ
雰囲気のいい通りが多い
レベルが高いレストランに感動
昼はマリーナ地区にある有名な海鮮レストランに行くことにしていました。天気が悪い日なのでそんなに客はいないだろうと思っていたのですが「満席」と断られました。どうやら、団体客が予約をしていたようです。オンダリビアでは一番の有名な店ですから仕方ありません。
そこで、店を探した結果、YOLA BERRIというレストランに入ってみました。店内には10人くらい座れる長いテーブルがいくつかあり、カウンターにピンチョスが並んでいます。
「ここ、バルだよね…?」と思いながら、ウエイターに「定食はないの?」と聞くと、「食事なら地下に行って!」と言われました。
たまたま入ったレストランだが、かなり有名な店だった。
そこで階段を下りてみると、少し狭いですが、白いクロスがかかったテーブルが並ぶいい雰囲気のレストランになっていました。
定食は飲み物とデザートの他、二つの皿を数種類の料理から選ぶようになっています。一番目の皿は、私がアスパラガス、妻はエビのサラダ、二番目の皿は二人とも定番のメルルーサを選びました。
少しして出てきた一番目の皿を見て驚きました。高級フランス料理と言ってもおかしくないほど洒落ているのです。アスパラガスはハムで巻いて火を通し、生野菜が添えてあります。エビのサラダは生野菜とマヨネーズ和えサラダの上に焼いた手長エビが乗っています。これが、昼の定食で食べられることにちょっと感動しました。二番目の皿のメルルーサも美しい盛り付けです。味はもう文句のつけようがありません。
最後のデザートはプリンでしたが、これも手作り感があって美味しかったです。
これで値段は一人分税込みで16ユーロ(約2000円)ですから、スペインの昼の定食としては少し高めという程度。バスクの美食の伝統はこういうところにまで浸透しているのかと思いました。
一番目の皿、アスパラガス
一番目の皿、エビのサラダ
二番目の皿、メルルーサ
デザートのプリン
美しい街と美味しい料理に出会い、雨の中をバスで出かけてきた甲斐がありました。旅行の醍醐味は、「知らない街で思いがけないことに出会うことだ」と改めて感じた一日でした。
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