地上絵残したナスカ人は森林伐採で滅亡?
2009-11-03
11月2日のロイターのニュースに、ナスカ文明の滅亡に関する記事が出ていました。
ナスカの墓地に放置されていた、おびただしい数のナスカ人のミイラと骨
これまで、ナスカ文明の滅亡に関して一部の研究者が、「大規模なエルニーニョ現象が発生し、大雨や壊滅的な洪水が引き起こされたため」という考えを示していました。
しかし、英国のケンブリッジ大学などの調査によると「この地域に生息する根の長い木が湿度を保ち、葉が土壌の養分となっていたが、伐採により空気が乾燥しすぎたため、人々が十分な食料を収穫できなくなった」ことが分かったということです。
つまり、ナスカ人たちは文明を維持するために森林伐採を続けたことで砂漠化を引き起こし、結局はこの地を放棄せざるを得なくなったということになります。
森林破壊による環境の変化という例は多いですね。
例えば、スペインのセゴビアでは、街の周辺に木々がまばらに生えているだけの荒野が広がっているのを見ることができます。ここには昔は豊かな緑の森があったということですが、大航海時代に帆船を作るために木々を伐採してしまったために、乾燥した不毛に近い土地になってしまったと聞きました。
また、イースター島も昔は豊かな森に包まれた島だったそうですが、巨大なモアイを移動させるために大量の木材を切り出したために、森が消滅してしまったということです。今では、島は草と潅木が茂っているだけで、大きな木は本当に少なくなってしまっています。これが、島の生活を激変させ、島内の住民同士の争いを引き起こして、多くのモアイが引き倒されたといわれています。
ナスカも同じように森林伐採が文明の破滅につながったということですが、この記事ではわからないことが多いので疑問も残ります。
ナスカは地上絵で有名になりましたが、はっきりいってそんな絵などどうでもいいのです。
より重要なのは、ナスカ人が非常に優れた灌漑技術を持っており、アンデスから流れてくる伏流水を集めて農業を行っていたということです。この何百年も前のナスカの灌漑施設が今でも使われており、豊かな水が地下を通って流れているのです。
地上絵などは文明の維持に何の役にも立たない無駄なものですが、灌漑施設は砂漠地帯で文明を維持するために大きな力になるはずです。
そんな施設があるのに食糧の収穫が不足したというのなら、ナスカの人口が増えすぎたといった背景もあったのではないでしょうか。ニュース記事なので、その辺の詳しい説明はないのですが、できれば知りたいものです。
よろしければワンクリックお願いします。

にほんブログ村
スポンサーサイト
タグ :