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俳優ショーン・ペンがベネズエラで映画を撮影

 2009-11-09
 AFPのニュースで、米国の俳優ショーン・ペンがベネズエラでウゴ・チャベス大統領と会談したことが報じられていました。

 この会談には映画プロデューサーのアート・リンソンという人が同席していたそうで、チャベス大統領は「彼(ショーン・ペン)がベネズエラで映画を撮るのはほぼ間違いない」と語ったそうです。

 何で、ペンがベネズエラで映画を撮るのかということですが、大統領によると、ペンはキューバの作家アレホ・カルペンティエールの小説『失われた足跡(Los Pasos Perdidos)』の映画化に意欲を示しているというのです。

 この小説は、ベネズエラを舞台にしているため、現地で撮影したいということなのでしょう。別に、ベネズエラで撮影しなくてはならないわけはないと思いますが、ペンはチャベス大統領やキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長と関係を持ちたいと考えているようです。
 
 もしかしたら、ペンはカルペンティエールやカストロ前議長にもっと近づくことでキューバのことを深く知り、これからの映画活動に役立てたいと思っているのかもしれません。キューバ文学やキューバの歴史に興味があれば、自然な行動です。

 私も、カルペンティエールの大フアンですから、失われた足跡の映画化は非常に楽しみです。10数年前、キューバを訪れた際には、ハバナのカルペンティエール記念館を訪ねて、管理人からカルペンティエールの写真集を買いました。カルペンティエールに興味がない人には、ただの小さな家に過ぎませんが、私のようなファンにはたまらない場所でした。

 すでに映画化されている「光の世紀」という作品がありますが、この映画の一部が撮影された場所が記念館にあり、記念のプレートがはめ込まれています。その前で撮影した写真はいい思い出となりました。

 ところで、カルペンティエールの「失われた足跡」という小説は、彼の代表作であり、大傑作です。ただ、大河ドラマ風の「光の世紀」などとは違って、映像化が非常に難しい小説です。ですから映画化によって原作のイメージが壊れてしまいそうな不安があります。

 映画が完成しても、映画だけ見て判断するのではなく、小説を是非読んでいただきたいと思います。




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コメント
ショーン・ベンと言えば、20数年前に公開されたベトナム戦争を扱った「プラトーン」で主人公を演じた俳優さんですね。とても印象深い映画でした。

数年後に、ウォール街のインサイダー取引を描いた映画でも主人公を演じていましたね。どちらも社会的な背景のある映画でした。

「失われた足跡」はどんな小説か知りませんが、ショーン・ベン自身が興味を示すのですから骨太の内容なんでしょうね。

公開が楽しみですね。
【2009/11/09 11:42】 | arima #LkZag.iM | [edit]
 arimaさん、早速のコメント、ありがとうございました。

 映画「プラトーン」で主人公を演じた俳優はリチャード・ギアではなかったですか。
 ショーン・ベンはマドンナの元旦那さんですね。
 映画俳優としては、クリント・イーストウッド監督の「ミスティックリバー」でアカデミー主演男優賞を獲得しています。癖のある人ですが、非常にいい役者で、私は好きです。監督としてはわかりませんが、不安があります。

カルペンティエールは、ラテンアメリカ文学の中で大きな特徴となっているマジックリアリズムの作家として有名です。「失われた足跡」というのは、まさにラテンアメリカの魔術的現実を表現した小説で、キューバ文学の伝統を打ち立てたと言える作品です。

 小説の主人公と一緒に、ラテンアメリカの世界にのめり込むことができる傑作だと思います。
【2009/11/09 12:29】 | ヴィクーニャ #- | [edit]
ヴィクーニャさん、こんにちは。

人間の記憶って曖昧なものですね。
「プラトーン」「ウォール街」の主演は、チャーリー・シーンでした。
【2009/11/09 20:26】 | arima #- | [edit]












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