ボリビア高地の旅へ

 2017-04-26

kororada.jpg 


標高4000mの高地を走る 


ウユニ塩湖を見た後、私たちのランクルは南西に向けて走り続けました。

 標高4000m弱の大平原の中を未舗装の一本道が延々と続き、時々、野生のビクーニャの群れが草を食んでいるのを見ることができます。

 ビクーニャの毛は非常に細く柔らかいため、これを使った織物などはアルパカ以上に高級とされているのです。ただ、リャマやアルパカなどと異なり人に慣れないため、飼育は困難だそうです。以前は、毛や肉を取るために乱獲されて数が激減したのですが、保護政策が功を奏して、今ではかなり増えています。


bikunya001.jpg 

途中で見たビクーニャの群れ

 

 やがて、大平原の中にあるチュピカという小さな村に到着。この村はずれに塩でできた山小屋のようなホテルがあり、ここが1日目の宿泊施設になっています。外観は、塩でできていると思えないのですが、中に入ると確かに壁などが塩でできていて、歩くと床の塩がジャリジャリと音を立てます。 

 各部屋にはシングルベッドが二つ並んでおり、電気も水道もあるので居心地はそれほど悪くありません。ただ、シャワーは水しか出ないようです。温水がなければ、寒くてとてもシャワーを浴びる気になれません。また、スマホやカメラの充電も食堂のコンセントで可能です。みんなが充電するため、たくさんの機器がたこ足状態になっていて、場所がないという問題はありますが・・・。

  食堂では車両ごとにテーブルが決められています。夕食時にはボリビア産の赤ワインが1本出てきました。「ボリビアのワインもおいしいんだよ」とガイドが言いますが、まあ、そこそこの味。夕食はチキンフライとポテトフライ、サラダ。食べやすく、ワインにも合う食事でした。

 

hoteluyuni001.jpg 

1日目の宿泊施設、「なんちゃって塩のホテル」


hoteluyuni004.jpg 

宿泊施設の部屋


絶景のエドアルド・アバロア自然保護区


 2日目、朝5時ころ出発した車両があり騒音で目が覚めました。ツアーによってルートが違うのでしょう、私たちの車両は出発時にもたつき、8時過ぎになって出発となりました。

  途中、チナグア塩湖を通り、南のエドアルド・アバロア自然保護区を目指します。この辺りは標高5868mのオヤグエ火山などがあり、車窓から素晴らしい景色が楽しめます。途中にはいくつかの湖があり、水の中にいるフラミンゴの群れを見ることもできます。ただ、時期によっては多くのフラミンゴを間近で見ることができるようなのですが、私たちは結構遠い位置で十数羽しか見られなかったのが残念でした。


uyunikouti.jpg 

こんな風景が続く


uyunikouti01.jpg 

湖も綺麗だ。

 

 その後、アルボル・デ・ピエドラ(石の木)に到着。風化や浸食によってできた奇岩が集まっている場所です。特に有名なのが、細い幹から葉が茂った木のような形になっている石です。

  夕方になって、この日のハイライトであるラグーナ・コロラダに到着です。赤い湖という意味の名前の通り、赤く染まった不思議な湖面が目の前に広がっています。これは湖に赤い藻が繁殖しているためだそうです。また、湖面にはピンクのフラミンゴの群れがいて、荒涼とした景色に花を添えています。

 ガイドが「この湖の色は時間帯によって変化するんだ。こんなに美しい場所は他にない」と言います。同じ赤でも太陽の光の具合によって、深紅から淡いピンクまで変わっていくようです。

 昔、テレビでこの湖をチリ側から目指した番組を放送していました。何日もかけて大変な悪路を4WDで乗り越え、なんとかここに辿り着いた人達を見て、「大変だけど、ここに行ってみたい」と思ったものです。それを思い出しながら、目の前に広がる絶景を眺めていると「ここに来れてよかった」と感じました。


kororada01.jpg 

赤い湖ラグナ・コロラダ。白い点はフラミンゴ、場所によってはもっとたくさんいる。

 

 2日目の宿泊はエドアルド・アバロア自然保護区の中にあるロッジです。ドイツ人夫婦が追加料金で二人部屋に入ったそうで、私と日本人の若者は夫婦の二人の娘と4人部屋に入りました。

 電気は夕方7時から9時ころまでしか使えません。7時になるとすぐ、ロッジの管理人にカメラの充電をお願いしました。夕食はスパゲッティ。食べたらすぐ寝る。シャワーは水ですから、また浴びられませんでした。困ったのはトイレです。夜は電気がつかず真っ暗ですから懐中電灯が必要なのですが、忘れてしまったのです。悲惨!!


yamagoya01.jpg 

山小屋の食事風景


世界一高所にある温泉


 翌朝は5時出発です。標高4300mの朝は寒いです。車のフロントウインドウが凍り付いていて、運転手はワイパーを動かしても氷がうまく溶けないため、前が見えない状態でしばらく運転していました。「事前に氷を溶かしておけよ」と言いたくなりました。

 暗闇の中を走ると、白い煙がもうもうと立ち上っている所に出ました。先行車両が何台も止まっていて、大勢の人が煙の周辺を歩いています。車から降りると、硫黄の臭いがして、蒸気が噴き出すシューという音がしています。間欠泉です。しばらくすると、噴出音が急に大きくなり、地面から勢いよく蒸気が噴き出し始めました。気温は氷点下なのですが、蒸気は温かくて気持ちよく、そこから動きたくなくなりました。


kanketusen01.jpg 

間欠泉が噴き出している場所。


 そこから少し先には温泉があります。湖の岸辺から温泉が湧いていて、プールのような露天風呂が作られているのです。脇にある小屋で水着に着替えた人たちが大勢温泉につかっています。たぶん、世界で最も高い場所にある露天風呂でしょう。

 ちょうど太陽が山から顔を出して上り始め、みんな温泉で暖まりながら美しい日の出の風色を楽しんでいました。私は、水着がないので入れませんでした。


onsen01.jpg 

温泉につかる人々。

 

 この日はエドアルド・アバロア自然保護区を南下してチリとの国境まで行きます。標高4300mから5000m近い高地の移動です。 

 途中には、サルバドール・ダリの砂漠と呼ばれる場所があります。尖った茶色の山々に囲まれた高地には植物が育たず荒涼とした光景が広がります。それが、ダリが描いたシュールな光景に似ているためこの名がついたのです。


uyunikouti03.jpg 

 ダリの砂漠


富士山のようなリカンカブール山に登る?


 やがて、行く手にチリとの国境に位置するリカンカブール山が見えてきます。標高5916mの富士山に似た円錐形の山です。同行の日本人の若者はこの山に登るために来たそうです。彼曰く、ベースとなる場所が4500mほどあるため、5900mもある山にしては登りやすく、登山する者が多いそうです。

 国境の山小屋に車が到着し、ガイドと彼が登山の交渉に行きました。ところが、なかなか戻って来ません。私が山小屋のフロントに行くと、若者が事前に聞いていた登山ガイドがおらず、困っていました。登山するにはガイドが一緒に行く必要があるのです。

 私も交え、小屋の人といろいろと話しましたが、ガイドや車両の用意ができるのかハッキリしません。その人は「誰か別の登山者がいれば、ガイドと車両をシェアして行けるけど・・・」と言います。若者は「いなければ一人で全額支払う」と言うのに、曖昧な返事しか返って来ません。

 「仕方ないので、ここで別の登山者が来るのを待つ」と彼は言います。南米では、事前の約束と違うことはよくあります。悔しい思いは理解できますが、どうにもなりません。 

 若者を小屋に残して、私たちは来た道を戻ります。途中、奇岩が並ぶ場所を見たりしましたが、ランクルは荒野の道を北に向かってひた走ります。やがて、山間の小さな村に到着。ここにはホスタル(小さなホテル)があり、長距離走行の疲れを癒すとともに、昼食を取りました。

 その後は、ひたすら走り続けました。3時ころにサン・クリストバルという町で休憩。そこから1時間半ほどたった4時半にウユニに帰って来ました。


uyunitur1.jpg 

2泊3日ツアーのルート図


 2泊3日のツアーは車に乗り疲れました。しかし、他では見ることができない素晴らしい景色を堪能できましたし、3日間、病気や車両の故障・事故など、何のトラブルもなくツアーを終えられたのはラッキーだったと思います。



よろしければワンクリックお願いします。
 にほんブログ村 海外生活ブログ 中南米情報へ
にほんブログ村 
にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ
にほんブログ村


ウユニ塩湖に行く!

 2017-04-20

 

uyuni010.jpg 


 ラパスからウユニへの移動は飛行機で決まり!

  ラパスからウユニに行くには、主にバスと列車の乗り継ぎ、長距離バス、飛行機の3通りの方法があります。

 列車でウユニに行く方法は景色が楽しめる面白いと思いますが、時間がかかる上に乗り換えなど面倒です。ラパスからウユニ行きの夜行バスも値段が高いクラスを選べばそれなりに快適ですが、途中の道が悪いため振動でかなり疲れると聞きました。

 飛行機は45分でウユニに行けますが値段が高いのがネックでした。試しに、エクスペディアで航空券を検索したところ2万円以上となっています。あきらめかけましたが、念のためアマゾナス航空のサイトで航空券の価格を調べてみました。すると、時間帯別のプロモーション価格で夜の便なら60ドルちょっととなっています。しかも、ホームページからクレジットカードで購入が可能です。

 

 「この価格なら」と飛行機に決めました。アマゾナス航空のサイトでは簡単に手続きができ「本当にこれで飛行機に乗れるのか?」と少し不安を感じたのですが、空港では何の問題もなくチェックインできました。

 飛行機の乗客が半分以上、中国人客だったのには驚きました。都会にショッピングに行くような派手な服装の女性も多く、かつては“地の果て”とされていたウユニ行きの飛行機とは思えません。時代は変わりました。


uyuni001.jpg 

ウユニ空港に到着

 

 夜8時にウユニの空港に到着。すぐ、翌日出発のツアーを確認することにしました。

 聞いたところでは、ウユニには5060社ものツアー会社があるそうです。特に鉄道駅の前の通りに多くのツアー会社が軒を連ねています。その中に「穂高ツアー(Hodaka Mountain Expedition)」という日本の名前を付けた会社があり、多くの日本人の旅行者が利用していると聞きました。そこで、穂高と事前にメールでやり取りし、翌日発のボリビア高地23日のツアーを申し込んでおいたのです。ちなみに、会社の名前は穂高でも経営者は現地の人ですから、日本語は通じません。

  事務所に行くと、中年の女性がいて、翌日のツアーの説明をしてくれました。夜の8時半過ぎでも数人の旅行者がいて、人気のあるツアー会社だということは分かりました。 

 翌日、出発時間である10時少し前に事務所に行くと、大変な混雑で部屋の中に入ることさえできません。シーズンオフに当たる時なのに、こんなに大勢の客がいるとは驚きです。また、鉄道駅前の通りにはツアーに参加する人たちが行き来していますが、その多くが中国人や韓国人なのです。一方、穂高の事務所の中は日本人の若い女性が多いのが特徴的でした。

 ウユニ塩湖の人気はすごいです。


uyuni002.jpg 

 ウユニの駅前通り


 ウユニのツアーは、当然ですがウユニ塩湖のツアーが中心です。穂高の評判がいい理由は、ツアーのドライバーが単に運転して案内するだけでなく、塩湖で写真の撮り方を教えてくれるなど丁寧な対応をしてくれるからだそうです。

  ただし、それは穂高の専属ドライバーを使う塩湖ツアーの場合です。私が参加するボリビア高地23日ツアーは、ランドクルーザーに客が6人乗って出かけるのですが、1ツアー会社では人数が集まりません。そこで、複数のツアー会社の客を引き受ける別の会社に運行を任せるのですから穂高は関係ありません。

  私の場合は、それぞれ別のツアー会社に参加を申し込んだ、日本人の若者1人とドイツ人の家族4人が一緒になりました。また、同じ運行会社のもう1台の車両には韓国人のグループ5人ほどが参加していました。

  参加費は23日ツアーで120USドル。どこのツアー会社でも価格に大差はないのですが、会社によって値引きもするようです。同じ車両の日本人の若者は、前日の塩湖ツアーにも参加していたため、値引きを要求して少し安くしてもらったそうです。


 ウユニ塩湖へ向けて出発!

  10時半になり出発です。ガイド兼運転手は、人は良さそうですが、あまり話が得意ではなさそうな40前後の男性です。まあ、おしゃべりなガイドよりは疲れなくていいかもしれません。

  まずは、ウユニ塩湖ツアーで必ず立ち寄る「列車の墓場」に到着です。砂漠のような場所に、蒸気機関車をはじめとした列車の残骸が数多く放置され、ちょっとシュールな光景を作り出しています。

 これは、19世紀にボリビアの鉱山から産出する鉱物資源を太平洋岸の港まで運搬するために活躍していた列車だそうです。その後、ボリビアはチリとの戦争に負け、太平洋への出口を失ってしまい、多くの列車は利用価値を失い放置。その後、残った列車も資源量の減少で次第に利用されなくなって捨てられたということです。


uyuni003.jpg 

列車の墓場に放置された機関車など


 車はいよいよウユニ塩湖に入っていきます。テレビで見たのと同じまっ白な塩の大地が広がっているのですが、たくさんの車が行き来するため地面は茶色に汚れていて、ちょっとガッカリです。それでも、隣を追い越していくランクルの乗客が、気持ちよさそうに奇声を発していました。




 


 塩のホテル・プラヤ・ブランカで昼食!

 しばらく走ると、塩でできたホテルであるプラヤ・ブランカが見えてきます。現在はホテルとしては使われておらず、ツアー客が昼食を取る場所になっています。この建物の横に世界各国の国旗が翻る場所があり、ウユニの名所の一つになっています。

 建物内は広いホールになっており、大勢のツアー客が集まって食事をしています。私たちも、ガイドが用意した野菜サラダと茹でた牛肉の昼食を食べることにしました。骨付きの大きな肉は意外にも柔らかくておいしかったです。


uyuni004.jpg 

塩湖に浮かぶプラヤ・ブランカ


uyuni005.jpg 

プラヤ・ブランカ横の国旗


uyuni006.jpg 

プラヤ・ブランカの食堂


 塩湖の鏡張りを見に行く!

 3月はまだ雨期なので、塩湖には水か溜まっている場所があります。ここなら、雨が降らなくてもウユニ名物の「鏡張り」が見られるわけです。

 

 車が乾いた塩の大地を進むと、やがて前方に湖のように水面が広がった場所が見えてきます。塩湖ツアーの車が数台、湖の中に止まっています。私たちの車もゆっくりと水の中に入って行きました。20分ほど進み、近くに別の車両がほとんどいない場所まで来ると、運転手が「降りて大丈夫だ」と言います。

  ドアを開けて水に足を入れると生暖かい感じです。水深は20センチくらい。ズボンをまくり上げて塩湖に降りました。湖底には尖った塩の塊が無数にできていますので、それが足裏を強く刺激して、痛くてたまりません。


uyuni011.jpg 

水の中の塩の結晶は踏むと痛い。 


 鏡張りは風が吹くと水面にさざ波が立ち、キレイに現れません。すでにここに来たという日本人の若者が「風が完全に止むことなど、ほとんどないですよ」と言います。その言葉通り、強くはないものの、常に風が吹いています。どうしても鏡張りが見たいなら、何度も通い、風が止むのを待つしかないわけです。もし、キレイな夕焼けが出た時に風が止むという幸運に出会えれば最高だと思います。


uyuni008.jpg 

キレイな景色だが、鏡張りにはなかなかならない


uyuni009.jpg 

わずかな風でも湖面が波立ってしまう。 


 なお、ウユニ塩湖の人気スポットであるサボテンが群生するインカワシ島は、雨季の間は途中に水の深い所があるため行けないそうです。

  これでウユニ塩湖は終了。そんなに期待していたわけでもないのですが、あまりにもあっさりと通り過ぎた感があって、残念な思いを抱えながらも車は先に進んでいくのでした。

 

 

よろしければワンクリックお願いします。
  にほんブログ村 海外生活ブログ 中南米情報へ
にほんブログ村 
 にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ
にほんブログ村


ティワナク遺跡に行く!

 2017-04-18

 古代遺跡に向けて出発!

 ラパスの近くには、アンデス文明史の中で非常に重要な位置づけがされているティワナク遺跡があります。3月は雨季の最後の時期で、毎日のように雨が降っていますが、朝の晴れ間を見て思い切って出かけてみることにしました。 

 ティワナク行きのコンビ(乗り合いミニバン)は前回紹介したセメンテリオ(墓地)の近くから出発します。朝9時ころ行ってみると、道路に止めたバンの中に5人ほどの若者が乗っており、「もう1時間も待っているんだ」と言います。 

 乗り合いの車は出発時間が決まっておらず、一定の人数が集まるまで待つのが普通です。運良く、それほど時間を置かず4人の乗客がやってきました。運転手は「じゃあ、行こう」と車を出しました。エル・アルトはいつも通りのすごい渋滞ですが、郊外に出れば、高速道路並みの見通しのいい一本道。思い切りスピードを上げて走れます。ティワナクまでは約2時間かかりました。


tiwanaku001.jpg 

ティワナク行きのコンビ


tiwanaku002.jpg 

ティワナク遺跡の入り口。左の建物が博物館


 1400年近く続いたティワナク文化

 同じ車で来た若者たちが「一緒にガイドを雇おう」と言います。ガイド料は何人でも変わりません。私を含めて8人でシェアして一人18ボリビアーノ(280円くらい)ほど、入場料は100ボリビアーノ(1500円くらい)とちょっと高めです。 

 見学は博物館から始まります。まず、ティワナクとはどのような文化かという説明がけっこう長時間ありました。

 ティワナク文化は、形成期の初期(ティワナクⅠ期)が紀元前200年ほどまで遡り、数多いアンデス諸文化の中でもかなり古い時代に属します。その後、都市として発展を続け、ティワナクⅤ期と呼ばれる西暦1200年ころまで続きます。その間、宮殿やピラミッド状建造物など様々な構造物が作られますが、その特徴はインカ文明につながる巨石加工を得意としていたことにあります。

 現在のボリビアからペルーにかけて広い版図を誇ったティワナク文化は1200年ころになると衰退し、周辺諸族が群雄割拠して争う時代に入ります。その中から出てきて、たちまち諸族を平定したのがインカだったのです。 


tiwanaku004.jpg 
ティワナクの土器

 

雨の中を遺跡見学に・・

 ガイドの説明が長いため、ちょっと苛立ちました。今にも雨が降りそうな雰囲気だったため、すぐに遺跡に出たかったからです。ようやく博物館を出たのですが、まだ次の博物館がありました。こちらには、遺跡を模した部屋の中央にベネットと呼ばれる巨大な石像(モノリート)が立っています。もともとラパスの博物館に置かれていたのを移したそうで、高さ7.3m、重さは20t。紀元600年から800年のティワナクⅣ期に作られたものだそうです。マヤの石像に比べるとプリミティブですが、堂々としていて見応えがあります。ちなみに博物館内は撮影禁止になっています。 

 外に出ると雷が鳴り、かなり雨が降っていました。ガイドはみんなに「合羽を着てください」と言いますが、雨の中での遺跡見学は大変なのです。遺跡の入り口から中に入っていくと、アカパナというピラミッド状建築物がありますが、道がぬかるんでいて靴が泥まみれ。ピラミッドの斜面の土もドロドロになっていて上ることができません。


tiwanaku006.jpg 

雨の中を遺跡に向かうが、足は泥まみれ。

 

tiwanaku005.jpg

アカパナのピラミッド


有名な太陽の門を見る!

 アカパナに隣接して、カラササヤという石壁に囲まれた130m×120mの長方形の建造物があります。この中には、博物館にあるベネットに似たモノリートが2体と、ティワナクで最も有名な太陽の門が立っています。 

 太陽の門は大きな石を削って彫り出したもので、建物の入り口だったと推定されています。正面の上部にはビラコチャ神が浮き彫りにされておりその両側に、鳥人および走る人とされる2種類の像が繰り返して浮き彫りになっています。それほど大きいものではないのですが、その精巧な作りと高度な石の加工技術が印象に残ります。


tiwanaku013.jpg 

カラササヤを取り囲む石壁。


tiwanaku009.jpg 

カラササヤの中に立つモノリート。

 

tiwanaku010.jpg

一枚岩をくりぬいて作られた太陽の門。


 カラササヤの東側には28m×26mの半地下式の方形広場があります。深さが1.7mあり、水がないプールのような感じです。中央には小ぶりのモノリートが立っており、周囲の石壁には人の顔を彫った石が埋め込まれています。顔の石は177あるそうで、ビラコチャ神の命によってこの地に現れた様々な人間のグループのシンボルとして彫られているそうです。


tiwanaku015.jpg 

カラササヤ(奥の壁)に隣接した半地下式方形広場。


tiwanaku016.jpg 

広場の壁には人間の顔を象った石彫がはめ込まれている。


インカにつながる巨石文明の源

 天気は回復傾向にあったのですが、道がぬかるんでいるため遺跡をくまなく見て回るのは難しい状況でした。そこで最後に、メインの遺跡群からは少し離れた場所にあるプーマ・プンクに行くことにしました。博物館から歩いて10分ほどで、入り口に到着。ここには、巨石を使った様々な建造物の跡があります。

  かつて、ここには低層の階段状の基盤の上に神殿が建てられ、基盤を掘り下げた広場もあったようです。現在は、元の形が分からないほど破壊されていますが、あちこちに残る大きな石を削り出して作った大小さまざまな石材は見事な出来です。インカの神殿の壁などを形づくる美しく加工された石が思い出されます。石に彫られた形状としては、特に十字が多用されているのが印象的でした。


tiwanaku019.jpg 

プーマ・プンクの巨大な加工石。壁には十字の浮彫が見える。


tiwanaku020.jpg 

精巧な加工がされた石材がたくさん転がっている。


アンデスにも十字架があった!

  ティワナクには「アンデスの十字」と呼ばれる形状があり、アカパナのピラミッドの復元模型を見ると、頂上に十字型の窪みが作られています。この形状がインカにも受け継がれ、「インカの十字」と呼ばれる4方向、あるいは4つの世界を十字で示す独自の世界観が形成されたとされます。ちなみに、インカの人たちは自分たちの帝国の事を4つの地域を意味するタワンティンスウユと呼んでいました。

  ここで見学の時間が終わりになりました。朝、乗ってきたコンビは乗客が見学を終える時間まで待っているのです。ただし、行きの乗客に加えて、遺跡からラパスに行く他の人達もできるだけ乗せるため、ちょっと窮屈になってしまいます。

  帰りは雨も上がって、4000m近い大平原の青い空に白い雲が湧く美しい光景を見ることができました。遺跡見学にはもう少し時間が欲しい部分もありましたが、同行者とガイドをシェアできたこともあり、満足できる遺跡巡りの小旅行となりました。


tiwanaku021.jpg 

4000mの高原に青空が戻ってきた。




よろしければワンクリックお願いします。
  にほんブログ村 海外生活ブログ 中南米情報へ
にほんブログ村  
  にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ
にほんブログ村




ラパスの街歩き その2

 2017-04-15
lapaz028.jpg
ラパスのロープウェイ「テレフェリコ 赤路線」


  ラパスのロープウェイを楽しもう!

 ラパスの街歩きで是非利用したいのが、テレフェリコと呼ばれるロープウェイです。2014年に2.4kmに及ぶ最初の路線が開通したのを皮切りに、現在では4路線、合計14.7㎞が完成。将来的には、さらに7つの路線を開通させる計画だそうです。

 現在の路線のうち2路線はラパス市内と空港があるエル・アルトを結んでおり、標高4000mに達する世界一高い場所にあるロープウェイとなっています。また、総延長14.7㎞は都市交通としてのロープウェイの中では世界最長です。ちなみに箱根のロープウェイは1回乗り換えで全長4km、ラパスの赤路線と接続する青路線を乗り継ぐと7.1㎞になります。

 ではテレフェリコに乗ってみましょう。
 市内の中心部から最も近いテレフェリコ駅は長距離バスのターミナルに近い赤路線のEstación Central(Taypi Uta)になります。歩いて行くには遠いので、バスかミクロ(乗り合いミニバン)を使います。メイン通りのマリスカル・サンタ・クルス通りを通るバスのフロントガラスに「Teleférico」と書いてあれば大丈夫。乗る時に、「テレフェリコのテルミナル(駅)に行くか?」と運転手に確認して乗ることをお勧めします。


lapaz023.jpg
赤路線の駅 Estación Central


 テレフェリコの駅は近代的な建物です。まず、窓口で切符を買います。1枚3ボリビアーノ(40円くらい)と安いです。ゴンドラの定員は10人と結構大きいです。

 Estación Centralからはエル・アルトに向けての上りになります。ゴンドラは密集した家屋の上を飛ぶように走って行きますので気持ちがいです。眼下には、家の屋上で遊んでいる子供や洗濯物を干している女性など、人々の生活が見えるのも面白いです。


lapaz027.jpg
ゴンドラの中は結構広い

lapaz024.jpg
家々の上を走るロープウェイ


 バスなどで市内からエル・アルトに行くと30分以上はかかりますし、ルートや時間帯によっては交通渋滞が激しく、嫌になるほど動かないことが多いのです。しかし、ロープウェイ(赤路線)なら10分でエル・アルトに到着。ここからのラパス市内の眺めは素晴らしいです。

lapaz025.jpg
エル・アルトからの眺め


 エル・アルトの駅16 de Julio(Jach'a Qhathu)の周辺には露天市が広がります。特に休日には露店が道路を埋め尽くし、日用品やおもちゃ、レジャー用品など様々なものが売られています。観光用ではないので、買うものはあまりないのですが、見て歩くだけでも面白いと思います。ただし、ちょっと治安が悪い部分もありますので、スリや酔っ払いの喧嘩などに注意が必要です。この日も、酔った男たちが大声を上げて揉めているところに出くわしました。

 ロープウェイの利用客は普段はそれほど多くないのですぐに乗れるのですが、日曜日などにエル・アルトから戻って来る際は、行楽客や観光客がどっと増えるために大混雑になることがあります。この日も、駅の前には利用客の長蛇の列ができていました。


lapaz026.jpg
乗客の長蛇の列

 プリペイドカードを使う地元の人が優先的に入場していくのを見ながら、切符利用の私たちは列に並んでジッと待ちます。40分くらい待ってようやく駅の中に入ることができました。

 赤路線にはセメンテリオという途中駅が1つあります。ここで降りて、市内の中心部まで歩こうと思います。ここからの道はラパスの人々の生活を間近で見ることができ、ツアーが組まれるほど観光客に人気のルートでもあるのです。

 セメンテリオというのは墓地のことで、駅の近くには大きな公共墓地があります。この日は日曜日でしたので、墓地にはお参りの人や葬儀の人が大勢訪れていました。駅から墓地の中を突っ切って歩いていくと、ちょっと不謹慎ですが、日本とは異なった墓の形や埋葬習慣が見られて、けっこう面白いです。

lapaz017.jpg
セメンテリオの入り口

lapaz029.jpg
お墓はアパートのように積み重なった形になっている。



 墓地の前のバプティスタ通りの坂を東に向かって降りていきます。周辺には花屋、葬儀屋をはじめとして様々なものを売る店が並び、大勢の人が行きかっています。折り重なるように立ち並ぶ家々は古色蒼然としていて、雑然としたたたずまいが独特の景観を形づくっています。

lapaz030.jpg
バプティスタ通りの坂


 道路が少し細くなったマックス・パレデス通りに入ると道の両脇に果物や野菜などを売る露店が並び始めます。狭い道は四方から流れ込む大量のコンビやバスで埋め尽くされ、大渋滞が起きています。所狭しと並ぶ露店の間を買い物客が縫うように歩き回り、道路に捨てられ腐ったごみの臭いと共に人々の熱気が伝わってきます。こういうアジア的な混とんと喧騒は、最近、他の国々では見られなくなっていますので、貴重な体験ができると思います。

lapaz018.jpg
露店が並び、車が溢れる道。

lapaz021.jpg
露店の一つ。薬草(?)を売っている。

lapaz022.jpg
果物屋が売っていたサボテンの実トゥーナ。甘くておいしいが、小さな種がうざい。


 マックス・パレデス通りを進むと、観光の中心地であるサガルナガ通りとぶつかります。ここを左(北東)に曲がると、急な坂道となっているサガルナガの中心からサン・フランシスコ寺院に出ることができます。



よろしければワンクリックお願いします。
にほんブログ村 海外生活ブログ 中南米情報へ
にほんブログ村

よろしければワンクリックお願いします。
にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ
にほんブログ村



ラパスの街歩き その1

 2017-04-13

lapaz015.jpg
ムリリョ広場の休日。後方右がカテドラル、左が大統領官邸


 ラパスは古い時代の中南米の風情が今も残る面白い町です。せっかくラパスに行ったのなら、ここでしか味わえない街の雰囲気や独特の庶民生活を見てみないともったいないです。

 見所としては、大きく分けて2つあります。一つは、街の中心であり観光の中心でもあるムリリョ広場周辺と観光客が集まるサガルナガ通り周辺。もう一つは、サガルナガ通りの上の方に広がっている庶民街と市場です。

 まず、街の中心であるムリリョ広場を目指しました。ホテルの近くにある学生広場からは歩いて15分から20分くらい。車であふれるメイン通りから北に3ブロックほど行くとカテドラル、大統領官邸などに面した小さいけれど綺麗な広場があります。ところが、この日は広場の1ブロック前からバリケードが設けられ、武装警官が関係者以外進めないように道を固めています。


lapaz007.jpg
バリケードが設けられ、警備の警官が・・・。


 その周囲の通りでは、先住民の人々を中心に大勢の人が集まり、道路を占拠しています。この人々が大統領官邸のあるムリリョ広場に押しかけないように警察は規制していたようです。特に恐いわけではないのですが、とにかく大勢の人が道路に座り込んでいますので、緊張感があります。ボリビアでは、様々な団体による政府に対する抗議や要求の行動がよく行われます。以前は、ゼネストが頻繁に行われ、すべての国民の活動がマヒすることもありました。広場には行けなくても、他の国でこんな光景が見られることはあまりないのでラッキーかもしれません。ただし、のんきに写真を撮っていたりすると、活動参加者の怒りを買うことがありますので、注意が必要です。


lapaz008.jpg
道路に座り込んでいる先住民の人たち


 ムリリョ広場はあきらめて、メイン通り(この辺りはマリスカル・サンタ・クルス通りと呼ぶ)の南側にあるサガルナガ通りに向かいます。メイン通りに面して建つ大きな教会が1549年に建てられたという伝統あるサン・フランシスコ寺院です。現在の建物は17世紀の再建ですが、ボリビアを代表する美しく立派な建築物です。教会前の広場には観光客や物売りなどが大勢の人が行き来しており、賑やかです。


lapaz009.jpg
サン・フランシスコ寺院

 
 教会横から南側に伸びる細い坂道がサガルナガ通りです。風情があっていい道なのですが、最近は土産物屋や旅行会社が軒を連ねるようになり、すっかり洗練され、観光地化されてしまいました。昔は、古い建物が立ち並ぶ通りの途中に古ぼけたフォルクローレの名店ペーニャ・ナイラがあり、馴染みのバーに行くような感じで何度も通いました。いまは、建て替えられたのでしょう、同じ名の洒落た感じの宿泊施設になっていました。


lapaz010.jpg
賑やかなサガルナガ通り


 それでも、この周辺の脇道には古い時代の名残である独特の風情と光景があって、歩いていて楽しいです。サガルナガ通りと交差する、リナレス通りは、通称「魔女通り」と呼ばれており、魔術に使うような動物のミイラや薬草などを売る店があります。きつめの坂ですからちょっと苦しいですが、歩き回ると面白いものが見つかると思います。


lapaz011.jpg
サガルナガ通りと交差する通り。やっぱり賑やか。

lapaz012.jpg
先住民のおばちゃんの土産物屋が多い。

lapaz016.jpg
夜の街路は風情がある。



よろしければワンクリックお願いします。
にほんブログ村 海外生活ブログ 中南米情報へ
にほんブログ村

よろしければワンクリックお願いします。
にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ
にほんブログ村

≪ 前ページへ ≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫ 次ページへ ≫